津軽さん誕生祭
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(………)
そろそろ日付も変わろうかという時間なのに、何故かウサと二人で書類の片付けをさせられている。
「テメェの班(トコ)の不始末だ。テメェで何とかしやがれ、クソホクロ」
兵吾くんにそんな事を言われたけれど。
別に狙ってやった訳じゃない。むしろとばっちりだ。
なのに。
ウサは公安学校時代の癖が抜けないのか、加賀班にも石神班にも使われすぎる。
なんだかすごく面白くない。
「ね、ウサちゃ……」
そろそろ飽きたし帰ろうよ、という台詞は飲み込んだ。
振り返るとすぐ後ろに、ウサが真っ赤な顔で立っていたから。
「どーしたの?」
「あの…」
何事かと問いかける前に、パン、パン!という音が部屋に鳴り響く。
「!!?」
身構えると同時に、響き渡る声。
「津軽さぁぁ~ん!お誕生日おめでとうございまぁぁす!!」
声の主は、言わずと知れた透くん。
クラッカーの紙テープの向こうには、見慣れた面子も見える。
「……ぇ?」
「きっ…今日は!つっ…津軽さんの誕生日なのでっ…!お祝いしたくて…!」
(……そっか)
ここ数日、ウサが何かコソコソしてるな~とは思っていたけど。
こっそり準備しようとしていたのを透くんに見つかって、乗っ取られでもしたんだろう。
相変わらず要領の悪い子だ。
(ま、そこが憎めないし可愛い所なんだけどさ)
「兵吾くんが無理矢理仕事振ってきたのって、これの為だったんだね?」
「…ルセェ。そこのグズが何かしたいって言うから、クソメガネに協力させられただけだ」
(照れ隠ししなくていーのに…)
「秀樹くんも、こっそりケーキなんて用意してくれてたんだ?」
「黒澤の悪乗りを止められなかった責任はあるからな…」
(秀樹くんでも、透くんの暴走は止められないのか…)
「周介くんは、潜入捜査中なのに来てくれたんだね?」
「えぇ、面白そうなイベントですし、見ておかなくてはと思いまして」
(その笑顔…っ!?)
「歩くんはこういうの苦手そうだけど…」
「そんな事ないですよ?(ニッコリ)」
(無言の圧……!)
「誠二くん……」
「……お誕生日おめでとうございます」
(真面目かっっ!!)
「津軽さぁぁぁん!この黒澤透、影からいつも見てますよぉぉ!!今日は頑張って色々準備……」
「あ、うん。分かってるありがとう」
「感情がこもってませーん!透泣いちゃう☆ぴえん💦」
「ね、ところでモモは?」
「百瀬さんなら、あそこに……」
ウサがぎこちなく指差す先には、透くんに無理矢理パーティハットを被らされたモモがいた。
「津軽さん…!!」
「うん、分かったから……」
(先越されたのがよっぽど悔しいんだな…)
「ウサちゃん」
「あっ…あの、えっと…」
真っ赤な顔のまま立ち尽くすウサの耳元に、そっと呟いた。
「来年は、2人っきりでお祝いしてね…?」
「………えっ?」
慌てて耳を押さえたウサの顔は、ますます赤くなっている。
「……はい」
零れた小さな声に、声にならない返事を返す。
……ありがとう
2020.10.27
津軽さん Happy Birthday ♬
そろそろ日付も変わろうかという時間なのに、何故かウサと二人で書類の片付けをさせられている。
「テメェの班(トコ)の不始末だ。テメェで何とかしやがれ、クソホクロ」
兵吾くんにそんな事を言われたけれど。
別に狙ってやった訳じゃない。むしろとばっちりだ。
なのに。
ウサは公安学校時代の癖が抜けないのか、加賀班にも石神班にも使われすぎる。
なんだかすごく面白くない。
「ね、ウサちゃ……」
そろそろ飽きたし帰ろうよ、という台詞は飲み込んだ。
振り返るとすぐ後ろに、ウサが真っ赤な顔で立っていたから。
「どーしたの?」
「あの…」
何事かと問いかける前に、パン、パン!という音が部屋に鳴り響く。
「!!?」
身構えると同時に、響き渡る声。
「津軽さぁぁ~ん!お誕生日おめでとうございまぁぁす!!」
声の主は、言わずと知れた透くん。
クラッカーの紙テープの向こうには、見慣れた面子も見える。
「……ぇ?」
「きっ…今日は!つっ…津軽さんの誕生日なのでっ…!お祝いしたくて…!」
(……そっか)
ここ数日、ウサが何かコソコソしてるな~とは思っていたけど。
こっそり準備しようとしていたのを透くんに見つかって、乗っ取られでもしたんだろう。
相変わらず要領の悪い子だ。
(ま、そこが憎めないし可愛い所なんだけどさ)
「兵吾くんが無理矢理仕事振ってきたのって、これの為だったんだね?」
「…ルセェ。そこのグズが何かしたいって言うから、クソメガネに協力させられただけだ」
(照れ隠ししなくていーのに…)
「秀樹くんも、こっそりケーキなんて用意してくれてたんだ?」
「黒澤の悪乗りを止められなかった責任はあるからな…」
(秀樹くんでも、透くんの暴走は止められないのか…)
「周介くんは、潜入捜査中なのに来てくれたんだね?」
「えぇ、面白そうなイベントですし、見ておかなくてはと思いまして」
(その笑顔…っ!?)
「歩くんはこういうの苦手そうだけど…」
「そんな事ないですよ?(ニッコリ)」
(無言の圧……!)
「誠二くん……」
「……お誕生日おめでとうございます」
(真面目かっっ!!)
「津軽さぁぁぁん!この黒澤透、影からいつも見てますよぉぉ!!今日は頑張って色々準備……」
「あ、うん。分かってるありがとう」
「感情がこもってませーん!透泣いちゃう☆ぴえん💦」
「ね、ところでモモは?」
「百瀬さんなら、あそこに……」
ウサがぎこちなく指差す先には、透くんに無理矢理パーティハットを被らされたモモがいた。
「津軽さん…!!」
「うん、分かったから……」
(先越されたのがよっぽど悔しいんだな…)
「ウサちゃん」
「あっ…あの、えっと…」
真っ赤な顔のまま立ち尽くすウサの耳元に、そっと呟いた。
「来年は、2人っきりでお祝いしてね…?」
「………えっ?」
慌てて耳を押さえたウサの顔は、ますます赤くなっている。
「……はい」
零れた小さな声に、声にならない返事を返す。
……ありがとう
2020.10.27
津軽さん Happy Birthday ♬