つがうさの日
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2月3日午後。
デスクに広げた書類を前に、うとうとと微睡むウサ。
いつもは騒がしい公安課内も、今日に限っては皆出払っていて静かだ。
おまけにぽかぽかの小春日和とくれば…眠くなるのも分かる。
(まぁ…ここ最近、確かに忙しかったからね)
疲れもたまっているんだろう。
起きてる時はそんな素振り、ちっとも見せないけど。
でも、でもさ…!
ちょっと無防備過ぎじゃないの!?
ここに残ってるのが俺じゃなかったら、その寝顔、他の男が見るんだよな…!?
(人の気も知らないで……!!)
あまりにも無防備すぎるその姿に、何故かちょっとだけイラッとする。
…っていうか。
あいつら、いつ帰ってくるか分かんないのに…!
(これは、寝ているウサを隠すため…!)
着ていたジャケットを脱いで、そっと近づく。
兵吾くんや秀樹くんに居眠りがバレたら、ウサ怒られちゃうし。
それも面白いかも知れないけど、やっぱり可哀想だし。
……それに。
(あいつらにウサの寝顔なんて見せられっかよ!)
一番の理由は、ここにある。
それは…独占欲以外の何物でもない。
ウサの寝顔を見ていいのは、俺だけだ。
ジャケットをウサに掛けようとした時、ころん…と何かが手の中から落ちた。
「?」
拾い上げたそれは、小さなリンゴ。
銀色のワイヤーで出来たリンゴの中に、ウサギのモチーフが下げられていた。
「あ……私寝て…津軽さんごめんなさ……!!!」
微睡みから覚醒したウサが、慌てて目を擦る。
そして、俺の手元を見て一瞬動きが止まった。
「!!?」
「あ、これ?」
「ウサちゃんがうたた寝してて、落っことしたんだよ?はい」
「!!…あ…りがとうございます…」
ウサは何故か頬を染めると、差し出されたそれを大事そうに受け取った。
「それ、中のモチーフはウサギ?」
「……はい」
「随分可愛らしいもの持ってきちゃって、どうしたの?」
「昨日、ハンドメイドショップで見つけて…一目惚れして買っちゃったんですけど…」
(ふーん、一目惚れね…)
「リンゴに囚われたウサギだね?」
「えっ…」
ウサの頬の朱が濃くなった。
「やっだなーウサちゃん、そんなに俺に囚われたいの?」
「ちょ……?何言ってるんですか!?」
ますます頬を染めるウサが可愛くて、もっと虐めたくなる。
「だってさぁ」
「これはっ…可愛かったから買ったんです!!」
「誤魔化さなくてもいいのに~」
「もうっ!知りません!!」
何事もやりすぎはいけない。
真っ赤な顔を隠すように、そっぽを向かれてしまった…。
「ごめーんてば、ウサちゃん」
虐めたお詫びは何にしようか…そして、頭の片隅で思う。
(囚われのウサギ…か)
あれは…俺そのものだ。
ウサを閉じ込めて離さない、まるで檻……。
2021.2.3 つがうさの日
デスクに広げた書類を前に、うとうとと微睡むウサ。
いつもは騒がしい公安課内も、今日に限っては皆出払っていて静かだ。
おまけにぽかぽかの小春日和とくれば…眠くなるのも分かる。
(まぁ…ここ最近、確かに忙しかったからね)
疲れもたまっているんだろう。
起きてる時はそんな素振り、ちっとも見せないけど。
でも、でもさ…!
ちょっと無防備過ぎじゃないの!?
ここに残ってるのが俺じゃなかったら、その寝顔、他の男が見るんだよな…!?
(人の気も知らないで……!!)
あまりにも無防備すぎるその姿に、何故かちょっとだけイラッとする。
…っていうか。
あいつら、いつ帰ってくるか分かんないのに…!
(これは、寝ているウサを隠すため…!)
着ていたジャケットを脱いで、そっと近づく。
兵吾くんや秀樹くんに居眠りがバレたら、ウサ怒られちゃうし。
それも面白いかも知れないけど、やっぱり可哀想だし。
……それに。
(あいつらにウサの寝顔なんて見せられっかよ!)
一番の理由は、ここにある。
それは…独占欲以外の何物でもない。
ウサの寝顔を見ていいのは、俺だけだ。
ジャケットをウサに掛けようとした時、ころん…と何かが手の中から落ちた。
「?」
拾い上げたそれは、小さなリンゴ。
銀色のワイヤーで出来たリンゴの中に、ウサギのモチーフが下げられていた。
「あ……私寝て…津軽さんごめんなさ……!!!」
微睡みから覚醒したウサが、慌てて目を擦る。
そして、俺の手元を見て一瞬動きが止まった。
「!!?」
「あ、これ?」
「ウサちゃんがうたた寝してて、落っことしたんだよ?はい」
「!!…あ…りがとうございます…」
ウサは何故か頬を染めると、差し出されたそれを大事そうに受け取った。
「それ、中のモチーフはウサギ?」
「……はい」
「随分可愛らしいもの持ってきちゃって、どうしたの?」
「昨日、ハンドメイドショップで見つけて…一目惚れして買っちゃったんですけど…」
(ふーん、一目惚れね…)
「リンゴに囚われたウサギだね?」
「えっ…」
ウサの頬の朱が濃くなった。
「やっだなーウサちゃん、そんなに俺に囚われたいの?」
「ちょ……?何言ってるんですか!?」
ますます頬を染めるウサが可愛くて、もっと虐めたくなる。
「だってさぁ」
「これはっ…可愛かったから買ったんです!!」
「誤魔化さなくてもいいのに~」
「もうっ!知りません!!」
何事もやりすぎはいけない。
真っ赤な顔を隠すように、そっぽを向かれてしまった…。
「ごめーんてば、ウサちゃん」
虐めたお詫びは何にしようか…そして、頭の片隅で思う。
(囚われのウサギ…か)
あれは…俺そのものだ。
ウサを閉じ込めて離さない、まるで檻……。
2021.2.3 つがうさの日