海外アニメ中心短編集
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私は別になんて事ない普通の社員…だったはずだ。
ワドル社は比較的上下関係や部署間の交流がラフで、社長であるマーク・ビークスさんでさえ社内でブラブラ…もといフラフラ…いや遊覧するのを良く見かけた。
故に社長と平社員での会話も恐らく他社より多かった。
ビークス社長はまあまあ楽観的で、多少無茶苦茶は言うが天才だ、と私は思っていた。
それ以上の感情は特に無い。
強いて言うなら、案外優しいんだな、くらい。
発案で悩んでたら相談にのってくれたり、上手くいったら温かい言葉をかけてくれたり。
本当にそれだけ。
だから、この状況には全く頭が追いつかない。
潮風の香りと静かなさざ波の音、黒々とした海が、似たように黒々とした星空との境目までもよく見える、不意に低い汽笛が響いた。
『…どういう事、ですか?』
夜の海から視線をずらし、振り返れば、いつもと変わらない笑顔をで甲板に立っている。
『ビークス社長……』
「どうって…ただの新婚旅行だよ?」
『は……?!』
待って、どういうつもりだ…この人…何を言っている…?
『ま、待って…ください……私は貴方とそういう関係では……』
「あー、そうだね『まだ』違う!」
『まだ…?!』
「明日には部下が…いや君にとっては上司か…が役所の方に申請してるんじゃな〜い?あ、写真撮ろーよ!」
『ふ、ふざけないでください!!冗談にしては度が過ぎています!!』
「冗談?ホントにそう思ってるの?」
『ひっ!?』
社長の眼光がいつになく鋭い、これは…
「酷いなぁ、そんな事言わないでよぉ」
にじり寄る笑顔…いや、目は笑ってなどいない
「それとも、まだボクのものって自覚が無いの?」
ボクのもの
聞き覚えのあるフレーズにガンと頭を殴られる。
今の発表良かったよ!流石ボクの社員!!
困るなぁ、ボクの社員ならもっとできるでしょ?
『あ…れは……そんな意味じゃ……』
「はぁ…他の社員には使わないようにしてたのに、キミって全然気付いて無かったんだねぇ」
そんな所も可愛いよ、と。
気付けば既に彼は目の前まで迫り、私の背後の手すりに手を乗せた。
まるで逃がさないように、閉じ込めるように、私に覆い被さっている。
『でも、こんな…急に……困ります!』
これ以上近寄らないで、という思いを込めて俯く。
「どうして?ボクにとっては全然急なんかじゃないし、キミも嬉しいでしょう?」
伸ばされた左手が、すくうようにして私の顎を掴んだ。
『っ!?』
「……そう強ばった顔をしないでよ、折角の二人っきりなのに」
酷く優しく頬を撫でられる。
もう一方の手は私の腰に伸ばされる。
ダメだ、雰囲気に飲まれては、ダメだ
そう思ってなんとか身をよじって抵抗するも、少しも効果はなさそうだ。
「さあ、二人っきりの豪華クルーズ婚前式といこう」
ワドル社は比較的上下関係や部署間の交流がラフで、社長であるマーク・ビークスさんでさえ社内でブラブラ…もといフラフラ…いや遊覧するのを良く見かけた。
故に社長と平社員での会話も恐らく他社より多かった。
ビークス社長はまあまあ楽観的で、多少無茶苦茶は言うが天才だ、と私は思っていた。
それ以上の感情は特に無い。
強いて言うなら、案外優しいんだな、くらい。
発案で悩んでたら相談にのってくれたり、上手くいったら温かい言葉をかけてくれたり。
本当にそれだけ。
だから、この状況には全く頭が追いつかない。
潮風の香りと静かなさざ波の音、黒々とした海が、似たように黒々とした星空との境目までもよく見える、不意に低い汽笛が響いた。
『…どういう事、ですか?』
夜の海から視線をずらし、振り返れば、いつもと変わらない笑顔をで甲板に立っている。
『ビークス社長……』
「どうって…ただの新婚旅行だよ?」
『は……?!』
待って、どういうつもりだ…この人…何を言っている…?
『ま、待って…ください……私は貴方とそういう関係では……』
「あー、そうだね『まだ』違う!」
『まだ…?!』
「明日には部下が…いや君にとっては上司か…が役所の方に申請してるんじゃな〜い?あ、写真撮ろーよ!」
『ふ、ふざけないでください!!冗談にしては度が過ぎています!!』
「冗談?ホントにそう思ってるの?」
『ひっ!?』
社長の眼光がいつになく鋭い、これは…
「酷いなぁ、そんな事言わないでよぉ」
にじり寄る笑顔…いや、目は笑ってなどいない
「それとも、まだボクのものって自覚が無いの?」
ボクのもの
聞き覚えのあるフレーズにガンと頭を殴られる。
今の発表良かったよ!流石ボクの社員!!
困るなぁ、ボクの社員ならもっとできるでしょ?
『あ…れは……そんな意味じゃ……』
「はぁ…他の社員には使わないようにしてたのに、キミって全然気付いて無かったんだねぇ」
そんな所も可愛いよ、と。
気付けば既に彼は目の前まで迫り、私の背後の手すりに手を乗せた。
まるで逃がさないように、閉じ込めるように、私に覆い被さっている。
『でも、こんな…急に……困ります!』
これ以上近寄らないで、という思いを込めて俯く。
「どうして?ボクにとっては全然急なんかじゃないし、キミも嬉しいでしょう?」
伸ばされた左手が、すくうようにして私の顎を掴んだ。
『っ!?』
「……そう強ばった顔をしないでよ、折角の二人っきりなのに」
酷く優しく頬を撫でられる。
もう一方の手は私の腰に伸ばされる。
ダメだ、雰囲気に飲まれては、ダメだ
そう思ってなんとか身をよじって抵抗するも、少しも効果はなさそうだ。
「さあ、二人っきりの豪華クルーズ婚前式といこう」