第二章「正反対」
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「ああ~っ! もう、むしゃくしゃするっ。豆腐食べたい!」
……ちょっと見てはいけないところを見てしまったかもしれない。
帰ろうとしていたものの、途中で忘れ物をしたことに気付いた俺は教室に戻ろうと廊下を歩いていた。
そしたら我が教室から、あの優等生で人の気を損ねないことに定評のある兵助の声がした。
そういえば今日日直だったな。それで残ってるのか。
……どんだけストレス溜め込んでるんだよ。
いや、あれだけ当たり障りのない対応していればそうもなるか。
思えばいつも真面目だからって仕事を押し付けられがちなのに、いつも引き受けてしまったりだとか、
体育祭でも、真面目に練習しない奴らがひねくれない程度のさじ加減でやんわり注意したり。
人気だけであんまり仕事しないくせに学級委員やってる俺より、兵助の方が向いてるんじゃないか、と思ったことすらある。
でも目立たちたくはないみたいで、学級委員を志望せず、推薦されても拒否していた。
……てか、どうしよう。
下駄箱で百恵が待ってるから、早く教室入らなきゃいけないんだけど。
今入ったら、なんか絶対気まづいっていうか、今の聞いてた!?みたいな感じになるよな。
うーん……とりあえず、ごめん先帰っててって連絡しておくか。
そして、少し待ったあとに教室のドアを開けると同時に、兵助がまた苛立ちを露わにした。
……見なかったことにした方が互いにいいと思ったんだけど、どうやらそうもいかないらしい。
「……よければ話聞こうか?」
そういうと兵助は驚いたようにぱちぱちと目を瞬かせ、
少し迷う素振りを見せた後に、小さな声で頼むと呟いた。