第一章「日常」
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チャンスといえば……。
先週の金曜日は、百恵なんで俺は百恵の言う王子さまになれないのか、
王子は俺じゃダメなのか、とかいろいろ聞いたけれど。
俺の納得のいく答えは、導き出せなかった。
あの様子じゃ、本人の自覚はなくともやっぱり百恵の言う王子さまは、百恵の好きな人ってことだろう。
もしそうだと仮定して、俺にはなれないと言われたその瞬間俺は百恵の好きな人になれないということになってしまう。
いや、元から恋愛対象に入ってないのは分かってるんだけど、
いざ本人の口から出たら死ぬほど凹む自信があった。
「尾浜はヒーローのままでいいよ。私、ヒーローはヒーローで好きだし」
……ん?
「えっなにそれなにそれ!? どういう意味?」
ヒーローのままでいいって何!?
もしかして全部見通した上で、お前は王子さまにはなれないからヒーローで落ち着けみたいな凄い遠回しにフラれたの?
すごい都合よく考えるパターンでいくと王子さまイコール好きな人っていう公式は間違ってて今俺百恵に告白されたの?
いや、それはないと思うけどさ、
それでも百恵が間接的に俺の事好きって言ってるみたいに聞こえてすごい嬉し恥ずかしいんだけど!?
言い逃げるようにして走り出す百恵に、全速力で追いかける。
これはマジにもなる。
いや、本当、どういう意味なの。そしてなんで突然走り出したの。
そしてバスの中へ入り、やっと追いかけっこは終わったと同時に、俺は百恵が走り出した理由に気付いた。
……バスがいっちゃいそうだったから走ったんだな、うん。
というか走ったせいで傘が無意味だった。でも雨に打たれて頭も冷えた俺は、冷静になった。
…………特に意味はないんだろうなあ。きっと。