最終章「芽生え」
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夏休みが明け、二週間が経った。
いやあ……ライブにお祭りに、勉強会に。
今年の夏休みはだいぶ満喫したなあ、と思う。
「ごめん、俺今日一緒に食えないっぽい」
「おー、最近多いな。ま、行ってこいよ」
「……うん、行ってくる」
どこか気だるげに教室の扉を閉めて、久々知は教室から出ていった。
……あ。
「やばい、弁当持ってくんの忘れた!」
「また!? とりあえず、職員室に届いてないか確認に行ってくれば?」
「そうする! じゃっ」
そう言って、ピシャリと乱暴に教室の扉を閉めて、職員室に向かう。
あー……微妙に遠いんだよね、二年生の教室からじゃ。
そう思いながら階段を下って廊下を歩いていると、女の子の声が聞こえて、なんとなく足を止める。
「好きです、付き合ってください」
昼休み、誰もいない中庭。確かに絶好のチャンスだと思う。
……それにしても、こんな場面に遭遇するなんて。
なんだか珍しくて、換気のために開けられた窓から、声のする方を見る。
……えっ、相手、久々知じゃない? あれ。
まさかの相手に、私はつい、食い入るように二人を見つめた。
……モテるのは知ってたけど、こういう場面をバッチリ見てしまうと、なんだか寂しいと思う。
というか……オッケーするのかな、久々知。
好きな人がいるとか全く聞いたことがないし、興味すらなさそうな顔をしているけど。
なんでか分からないけどすごく気になって、私はまだそこで二人を見つめていた。
「ごめん、俺、好きな人がいるんだ……」
……いるんだ、好きな人。
なんとも言えないような気分で、私はその言葉をどうにか噛み砕く。
なんだろう、この、変な気持ち。
その場から離れて、私は職員室へと向かった。
いやあ……ライブにお祭りに、勉強会に。
今年の夏休みはだいぶ満喫したなあ、と思う。
「ごめん、俺今日一緒に食えないっぽい」
「おー、最近多いな。ま、行ってこいよ」
「……うん、行ってくる」
どこか気だるげに教室の扉を閉めて、久々知は教室から出ていった。
……あ。
「やばい、弁当持ってくんの忘れた!」
「また!? とりあえず、職員室に届いてないか確認に行ってくれば?」
「そうする! じゃっ」
そう言って、ピシャリと乱暴に教室の扉を閉めて、職員室に向かう。
あー……微妙に遠いんだよね、二年生の教室からじゃ。
そう思いながら階段を下って廊下を歩いていると、女の子の声が聞こえて、なんとなく足を止める。
「好きです、付き合ってください」
昼休み、誰もいない中庭。確かに絶好のチャンスだと思う。
……それにしても、こんな場面に遭遇するなんて。
なんだか珍しくて、換気のために開けられた窓から、声のする方を見る。
……えっ、相手、久々知じゃない? あれ。
まさかの相手に、私はつい、食い入るように二人を見つめた。
……モテるのは知ってたけど、こういう場面をバッチリ見てしまうと、なんだか寂しいと思う。
というか……オッケーするのかな、久々知。
好きな人がいるとか全く聞いたことがないし、興味すらなさそうな顔をしているけど。
なんでか分からないけどすごく気になって、私はまだそこで二人を見つめていた。
「ごめん、俺、好きな人がいるんだ……」
……いるんだ、好きな人。
なんとも言えないような気分で、私はその言葉をどうにか噛み砕く。
なんだろう、この、変な気持ち。
その場から離れて、私は職員室へと向かった。