最終章「芽生え」
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ここの祭りは、俺らの通う高校の生徒が多く集まる祭りだ。
「なあ、あそこの子めっちゃ可愛くね?」
「……うっわ、マジだ……! ってあれ、萩窪じゃね?」
「え? 知り合いかよ、LINE教えろ!」
「ただのクラスメイトだしLINEなんか持ってねーよ!
それにしても……あんな可愛いなんて、今まで気が付かなかったな」
お前らに百恵の何が分かるんだよ。
でかかった声を、なんとか直前で防ぐ。
俺の隣では、百恵が頑張ってスーパーボールすくいをしている。
「……つか、隣にいるの勘右衛門だぞ。あいつの彼女じゃねーの?」
「違う違う。あいつと萩窪はただの幼なじみだよ、距離感近めだけど小学校んときからずっと一緒なら納得だよな」
……そりゃあ、俺だってただの幼なじみだけど。
そう簡単に百恵の魅力を分かられちゃたまらない。
「へー……じゃあフリーってこと?」
「分かんねー……けど、最近兵助と仲良いっぽいぞ、付き合ってんじゃねえの?」
そう言うと、兵助の肩が跳ねた。
……兵助も聞いてたのかよ!
話してる奴らにはバレなかったみたいだけど、動揺したのが丸わかりだ。
「マジ? 兵助がライバルとかキツすぎっしょ、あの完璧超人に叶う気がしねえわ~!!」
「テンション上がってんじゃねえか、やる気か?」
「当たり前だろ!? 男は当たって砕けろだ、やってやるぜ!」
「じゃあ俺も行ってみるわ!!」
……はあ、これはまた、夏休み明けが大変なことになりそうだな。
兵助と顔を見合わせて、なんとなく頷きあった。
そんな中百恵は、スーパーボールすくいで全く取れなかったからか、
屋台のおじさんに情けをかけてもらっていた。