最終章「芽生え」
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「お、兵助! お前、甚平とか気合い入ってんな~」
「……そ、そうか?」
少し、はしゃぎすぎたかな。
阿佐ヶ谷にそう言うと、まあ、せっかくの祭りだし、ちょっとぐらい調子乗ったって誰も何も言わねーよ!と返ってきた。
……母さんがせっかくのお祭りなんだから~と言ってきたのにすっかり乗せられてしまったけど、
やっぱり男で和服を着てるやつなんて、カップル以外では居ないよなあ。
いつもの五人……ではなく、彼女と同行する南を除いた
四人で祭りに行くことになった俺達は、駅の近くで待ち合わせをしている。
「勘右衛門と萩窪、どんな格好でくるんだろうな」
「あー、去年見たけど、二人とも私服だったぞ」
まあ、勘右衛門はともかく、萩窪は服に興味なさそうにしてたからな……。
「おまたせー」
「お、尾浜と……萩窪、浴衣で来たのか!?」
……え。
そう思って振り返ると、偶然、萩窪と目がかちあった。
……あ、ピン、付けてくれてる。
それに、浴衣……水色のイメージはなかったけど、涼しげで、似合ってるし。
なんか髪型もいつもと違って、工夫してあるし……!!
「兵助ー、いくら百恵がイメチェンしたからってそんな凝視するなよな」
「……う、うるさい。
いいだろ別に、てか、すごい。すげー似合ってる……」
「はははっ、ありがとう兵助!」
普段なら言わないような語彙が、俺の口から零れていく。
すご……すごいな、浴衣パワー。
いつもに増して、その、ええと……かわいく見えて、困る。
「よしっ、じゃあ早速行こうぜー!」
「おー」
「おー」
「おー」
そして、俺らの祭りは始まった。