最終章「芽生え」
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「……兵助。お前、そうやってうだうだし始めて何分経っていると思っているんだ」
「まあまあ、お父さん。落ち着いて……私達はそっと見守るのが役目なのよ」
「む……しかし、むず痒くなるんだ、兵助を見ていると」
あれから、父さんと母さんの仲は無事回復した。
もちろん長年の解れを治すのにはだいぶ時間がかかって、もう夏休みも終わりに近づいてきている。
……でも、なんで両親揃って俺の恋路を見守ることになっているんだ!?
母さんはまだしも、父さんはそういうの反対だったじゃないか。
一体どういう風に説得したんだ、母さんは……。
話を戻すと、俺は今、萩窪に送るメールの文章を必死に考えているところだ。
せめて俺の携帯がスマホであって、
ラインのグループとやらに参加していたなら、もっとメールを送るのが気楽だったのに……。
まあ、でも、ないものを望んだって仕方ないよな。
長すぎたら肝心な内容が伝わないし、だからといって短すぎるのも義務的だと思われそうだし。
……どうしたらいいんだ。
そう思っていた最中、手の中の携帯が震える。メールが来たみたいだ。
さっきまで打っていた文章を下書きに保存してメールを確認すると、差出人は勘右衛門だった。
「……あ」
文章中に見えた単語に、思わず声を漏らす。
〝お祭り〟だと。……どうやら、勘右衛門に先を越されたみたいだ。
それならわざわざ俺のこと誘わなくたっていいのに。あいつはまだ諦めるつもりなのか……?
でもまあ、せっかく誘ってくれたわけだしな、と承諾の返事と少しの挑発を送って、俺は携帯を閉じた。
「まあまあ、お父さん。落ち着いて……私達はそっと見守るのが役目なのよ」
「む……しかし、むず痒くなるんだ、兵助を見ていると」
あれから、父さんと母さんの仲は無事回復した。
もちろん長年の解れを治すのにはだいぶ時間がかかって、もう夏休みも終わりに近づいてきている。
……でも、なんで両親揃って俺の恋路を見守ることになっているんだ!?
母さんはまだしも、父さんはそういうの反対だったじゃないか。
一体どういう風に説得したんだ、母さんは……。
話を戻すと、俺は今、萩窪に送るメールの文章を必死に考えているところだ。
せめて俺の携帯がスマホであって、
ラインのグループとやらに参加していたなら、もっとメールを送るのが気楽だったのに……。
まあ、でも、ないものを望んだって仕方ないよな。
長すぎたら肝心な内容が伝わないし、だからといって短すぎるのも義務的だと思われそうだし。
……どうしたらいいんだ。
そう思っていた最中、手の中の携帯が震える。メールが来たみたいだ。
さっきまで打っていた文章を下書きに保存してメールを確認すると、差出人は勘右衛門だった。
「……あ」
文章中に見えた単語に、思わず声を漏らす。
〝お祭り〟だと。……どうやら、勘右衛門に先を越されたみたいだ。
それならわざわざ俺のこと誘わなくたっていいのに。あいつはまだ諦めるつもりなのか……?
でもまあ、せっかく誘ってくれたわけだしな、と承諾の返事と少しの挑発を送って、俺は携帯を閉じた。