第五章「生長」
あなたの名前はなんですか?(夢小説機能)
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そして、作戦当日――。
恋人のフリ、といっても……具体的に何をすればいいんだろう。
これが兵助の事件を解決するきっかけになる、というのは説明されたけど。
「えっと……百恵、どこに行きたい?」
久々知はなんだか照れくさそうに、ぎこちなく笑ってそういった。
……というか、名前呼び……そっか、恋人だからそれくらいの距離感なのかな。
「ううんとね、じゃあ、雑貨屋とか?」
「……う、うん。分かった。じゃあ、こっちだ…………行こう?」
「うん」
差し出された手を取って、私達は手を繋ぐ。
……久々知、じゃなくて、兵助の手、案外大きいなあ。
まつげ長いし、なんか勝手に小さいイメージだったんだけど……そうでもなかったみたい。
* * *
「……へえ、百恵、ってこういうの好きなんだな」
まあねー、と生返事をしたあとに、私は兵助を見た。
……うん。似合うな。
「……兵助、付けてみれば?」
私がそう言いながら手に取ったのは、水色のピンだ。
兵助は名前で呼ばれたのが恥ずかしかったのか、少し私から視線を逸らす。
えー……かわいいな、兵助。
やっぱイケメンって何してもいい感じに見えるよね、モテるのも納得だ。
「嫌だよ。なんか浮ついてるやつみたいだろ」
え、そういうの気にするんだ……。
てっきりファッションとか気にしない系の人かと思ってたけど――
今思えばこの間髪切りに行ったときにも、オシャレしてたしな。
「そういうのは、百恵の方が似合うだろ」
顔に伸ばしてくる手には咄嗟に反応出来ずに、条件反射で目を瞑った。
……これは……ただし、イケメンに限るってやつか……。
「ん、やっぱり。そっちの方が似合うよ」
………………いや、天然イケメンって怖いな。