第四章「回帰」
あなたの名前はなんですか?(夢小説機能)
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「萩窪さんは、夏休みに好きな人に会いに行くんだっけ?」
「ぶっ……!」
思わず吹き出した。
タカ丸さんはそんな私を見て、あれ、違ったっけ?と首をかしげた。
その言い方だと遠距離恋愛をしている彼氏に久々に会いにいくみたいだ。
「ええと……違くはないんですけど、昔からずっとファンだった人に会いにいくんですよ」
「ふふ、知ってるよ。それでも好きなことに変わりはないでしょう?
努力するひとびとは、どんな時代でも素敵だよねえ」
久々知にも過去の私がそう見えていたのかな。
そんなことを考えながら、そうですね、と相槌をうった。
* * *
「よし、これで完成っ。さらに可愛くなったよ、萩窪さん」
「あ、ありがとうございます」
ふわふわした雰囲気だけども、やっぱりどこかタラシっぽい。
鏡に映る自分の姿を未だに信じきれずにいる。
……タカ丸さん、疑ってすみませんでした。正直、ここに通いたいくらいだ。
「兵助くん、終わったよー」
タカ丸さんがそう言うと、奥で本を読んでいた久々知が立ち上がってこちらに向かってくる。
そして私の髪型をじっと見たかと思うと、こう呟いた。
「……なんか、見違えたな」
「ダメだよ兵助くん。そこは可愛いって言わなくちゃ」
「え、そうなのか?」
本気にしないでいいから。
……やっぱりどこか久々知は天然らしい。