第四章「回帰」
あなたの名前はなんですか?(夢小説機能)
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俺は読書でもしているから、タカ丸さん、よろしくお願いしますよ。
うん、わかったあ~。
……なんか、独特な雰囲気だな。
見た目とは裏腹にタカ丸さんは癒し系みたいだ。
「それにしても、兵助くんのお友達かぁ……それに、女の子だなんて。
ねえ、お名前はなんて言うの?」
「萩窪百恵っていいます。久々知とは同じクラスで、今年から仲良くなったんですよ」
へえ、そうなんだあ。
兵助くんはあんまり人付き合いが得意じゃないんだけど、君みたいな人がいるって聞いて安心したよ。
さっきまでどっちかというと久々知が兄みたいに振舞っていたけど、
今のを聞くにタカ丸さんの方が兄みたいだ。
それにしても、久々知は敬語だったし……年上なんだろうけど一体いくつなんだろう……?
「ふふ。今年18歳の高校三年生だよ。
美容科のある高校で勉強しながら、ここの後継のために頑張ってるんだ」
「なるほど、まだまだ勉強中の身なんですね――って、え」
「昔は兵助くんが実験台になってくれたんだけどね。
兵助のご両親というか、家が凄い厳しいからなかなか来れなくなっちゃって……。
ああ。僕が言うのもなんだけど、腕に関しては兵助くんのお墨付きだから安心してよ」
は、はあ……。
安心してくれって言われても、出来ないものはできないんだけど……。
でも久々知がここに連れてきたってことは本当に信頼されているんだろうな。
……というか、久々知の家庭って厳しいんだ。
又聞きしていい話題じゃない気もするけど、確かにそんな気がしていた。
勉強時間と習い事の量に、極めつけに無趣味。
仲良くなってから知ったことは〝豆腐が好き〟くらいだった。
個性の一つなのかと思っていたけど、そういう背景があったからこそなんだろうか。