第三章「小さな歪み」
あなたの名前はなんですか?(夢小説機能)
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
お弁当にもそれぞれの家柄が出るというか、なんというか……。
「尾浜、弁当でかくない?」
「ふふっ、まあ大食漢の勘ちゃんと呼ばれし男だからな。
……いいよなあ、南は愛妻弁当だろ? なんかカワイイ感じだな~」
ははっ、いいだろ? まあ、まだ妻じゃないけど。
お前は萩窪にでも作ってもらえばいいんじゃないか?
……う、うわあ。彼女持ちの余裕ってやつか、からかわれてもすんなりかわしてる。
あー、羨ましい。私も可愛い彼女にお弁当作ってもらいたい~!
……ん? 違うか。私が作らなきゃいけないのか。
「百恵の料理食べるくらいだったら醤油一気の方がマシ!」
「……つまり死んだ方がマシ、と」
「うん。自分でも言うけど本当に死んだ方がマシだよ」
「……少しだけでも練習したらどうだ? 彼氏欲しいなら練習して損はないだろ?」
久々知……うん、そうなんだけど……。
お母さんの美味しい料理食べたいし、台所に立つの禁止されてる以上、なんか器具を壊したりしたら迷惑かけちゃうし。
正直いってそこまで食に興味もないからな。
「……俺はどうせ母ちゃんのお弁当だよちくしょう……」
「そ、そんな落ち込むなよ阿佐ヶ谷。
手作り料理が食べれるだけ幸せだと思えよ、俺購買だしぶっちゃけお前より悲惨だろ」
「久々知……お前なんで彼女出来ないんだよ……」
ううん……あんまり興味ないって言うか、付き合ったところで何するのか分からないし、俺勉強に専念したいんだよね。
何するって、そりゃナニだろ!
尾浜と共に阿佐ヶ谷くんサイテ~と適当に煽りつつ、久々知は本当に秀才なんだなぁ、と思った。