第三章「小さな歪み」
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「じゃあ改めて自己紹介といこうか」
俺から時計回りでと久々知くんが言ったので、私もみんなも了承する。
「俺は久々知兵助。趣味は勉強とか、豆腐作りとかだ」
……え?豆腐?
豆腐作ってる上に、しかもそれ趣味なの?
「豆腐好きなんだ?」
とりあえず分かった情報を元に相槌をうつと、急に久々知くんの目は輝きだした。
なんと豆腐は一日一食は必ず食べるらしい。
そしてお菓子代わりに高野豆腐という保存食品を常用しているほどの、脅威の豆腐好きということが分かった。
クラスの女子がこの様子を見たらどう思うだろう。
……イケメンだから許されるかもな、イケメンってやっぱ罪だ。
「兵助は部活なにやってんだっけ?」
「剣道部だよ。生まれた頃からずっとやってるから、流れで」
「へー、大会とか出たのか?」
「うん。個人名義でだけど、何度か優勝してる」
すっげー、トロフィーとか家にいっぱいあんじゃねえの!?
明日部屋の写メとってLINEで送ってくれよ。
南と阿佐ヶ谷が盛り上がってスマホを取り出す中、
分かったと言いながら鞄からガラケーを取り出す久々知くんにまた衝撃が走る。
「いや、それじゃLINEできないよ」
「え? なんで、携帯で出来るんだよな?」
「LINEはアプリだからスマホじゃないと出来ないんだ」
尾浜の指摘に、あぷり?すまほ?とひらがなで表現されそうな感じで発音した久々知くんは、多分あんまり見れない姿だと思う。
……お家の人厳しいのかな。
ずっと成績トップを突き抜けてるからスマホぐらい買ってあげてもいいと思う。
実際尾浜はそれで買ってもらったみたいだし。
「え、女子にLINE聞かれたときどうしてるんだ?」
「LINEがメールみたいなやつってことは知ってたから、断ってたよ」
もったいねえ……阿佐ヶ谷の哀愁漂う発言に、少し笑って久々知くんの自己紹介が終わった。