第三章「小さな歪み」
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「友達って、どんなことをすればいいんだ?」
はじめて放課後のよりみちで喫茶店に寄り、そう久々知くんから聞いたときは頭が殴られたような気がした。
……本当に今まで人に興味が無かったんだな。というか、友達というものに縁がないというか。
別世界の人間だったんだな、と思う。
引っ込み思案になりがちなのは私もそうだけども、彼ほどではない。
「どんなことをすればいいとか、そういうのは型にはめられないと私は思うよ」
そう呟くと、久々知くんはマジな表情でそうかと呟いた。
……いいんだよね、これで?
いざ真面目に話を聞かれるとなんだかむず痒いというか、自分で言った言葉に自信がなくなってくるのを感じる。
「そんな固くなるなよ。これは勉強じゃなくて感覚で覚えるもんだからさ。
とりあえず人に興味を持ってみよう。気になることがあれば、それとなく聞いてみろ」
「分かった」
「じゃあ、自己紹介でもしようか」
……おお、私と同じ補修組の阿佐ヶ谷がまともなことを言っている……。
一番初めに約束した、俺らは本音で付き合うという約束に従って私はそのまま呟くと、
阿佐ヶ谷はやっぱり私に噛みついてきた。
「はい」
「それでは久々知君、どうぞ」
いや、挙手制って学校かよ。尾浜もノったし。
「皆は萩窪さんはどういう関係なんだ?」
「ぶっ……」
阿佐ヶ谷はともかく、なんで尾浜まで吹き出すんだ。
彼女持ちの南は目を瞬かせたあとに、阿佐ヶ谷と尾浜の反応に苦笑する。
普通だったら変な勘違いされてる感じの質問だけど、多分ただ気になっただけだろうな。
あれ以前関わりを持ってないのは私だけだから疑問に思うのも仕方がないと思う。
「同じ中学校だったんだよ。特に尾浜は家が隣で幼なじみで。
本格的に仲良くなりだしたのは小学生の頃なんだけど」
「そうだったのか、なるほどね」
そこで納得するあたり、やっぱりただ単に気になっただけみたいだ。