第二章「正反対」
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「ねえおはまー」
私がそう声を発した瞬間、南と阿佐ヶ谷がバッとこちらを勢いよく見て、
久々知くんはしまった、とでも言うような顔をして口を塞いでいた。
「どったの、沙羅?」
久々知くんを庇うためにというか、尾浜を注意するために飛び出したはいいけど、この先何を言うか全く考えてなかった。
とりあえずこの雰囲気をぶち壊そう。あ、そうだ。
一番通路が狭い壁際にいる尾浜の腕を無理くり掴んで、広い通路へと連れ出す。
さぞかし私の行動が謎に見えているに違いない。尾浜も南と阿佐ヶ谷も、唖然としていた。
「あのさ、ケツ蹴っていい?」
「え? ダメに決まってるでしょ? まっ……嘘、本気? パンツ見えるよ?」
「いや今時スパッツ履かない女子なんて存在しないから。気を紛らわそうとしても無駄だよ?」
元はと言えば尾浜が久々知くんに絡みすぎなのが悪いんだよ。
しかも尾浜はわりと人と距離感保つの上手いから、絶対わざとだし余計タチが悪い。
「は……はははっ、おま、お前相変わらずだな。萩窪っ」
「やめてやれよ、お前のキック結構強烈なんだから、さ。ははっ、あはは……」
未だに久々知くんに怒られたのがショックなのか、南と阿佐ヶ谷の笑いは乾いている。
今更だけど彼らは私達の中学の友達だ。
……でも私南のケツなんか蹴ったっけか。南のご両親と彼女さんごめんなさい。
もし彼のケツが未だに青かったら私のせいかもしれません。
そして私が助走を付けようとした瞬間、チャイムが鳴って事態は一旦収束した。