第二章「正反対」
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さすがにこの反応はいつもと違うと気付いたのか、
久々知くん近くの席の住人である南と阿佐ヶ谷がニタニタと笑って聞いた。
「おっ、なんだその反応。兵助、好きな子いるのかぁ?」
「兵助ならやりたい放題なのに勿体ないと思ってたらそういうことだったのかよ~お前も隅に置けないな!」
これは……異変に気付いたというよりも、からかいたいだけみたいだ。
そしてモテる久々知くんの好きな子の話題に、女子が反応しないはずもない。
うわぁ、すごい……本当にモテるんだな。反応した女子の数を見て思う。
なんで私が不安の衝動に駆られるのか不思議でしょうがないんだけど。
なんなのかな。私もしかしてイケメン恐怖症だったりするのかな。
いやでも、小さい頃好きだった秀才チルドレン戦士は個性はありつつもしっかりと美形だったしその線は薄いと思うんだよね。
それに忘れがちだけど尾浜も顔は整っている方だし、うん。むしろ面食いだな私。
南と阿佐ヶ谷にはにこっと目を閉じながら笑って流す久々知くん。
……やっぱり特別尾浜になんかされたんだな。
そしてそんな久々知くんの様子から、好きな人は聞けそうにないと勘づいた女子達は聞き耳をやめて、それぞれ会話を始めた。
すごい自由だな……。
笑ったあとに開いた目は怒りを宿していて、
そこで尾浜が久々知くんに話しかけようとしているところが見えて、私は席を立った。
多分、今久々知くんは尾浜に声をかけられただけでキレる。
大きな声を上げれば先生は黙っていないし、普段真面目な久々知くんがこれで怒られるのは可哀想だ。
「……い、いい加減に……ッ」
久々知くんがついに少し声を荒らげて、周りを睨みつけ南と阿佐ヶ谷がギョッとした顔をしたとき、
私は間延びした声で久々知の言葉を遮った。