恋、其れ即ち
あなたの名前はなんですか?(夢小説機能)
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「ただいま、高円寺ちゃん」
そう言って私を後ろから抱きしめたのは、雷蔵先輩――ではなくただの三郎先輩である。
…………何やってるんですか、三郎先輩。
そう言いながら上を見上げると、ぱちぱちと瞬きをした後に私から勢いよく離れた。
「名前呼びの件もだけど、嫌ならちゃんと拒否しろよ」
「? 別に名前で呼んでもらって構わないですし、三郎先輩は別に私を殺したりはしないでしょう」
……そりゃそうだけどさあ、と顔を覆う三郎先輩。
なんだか最近は私が三郎先輩に意地悪しているみたいな気分になるんだけど、気の所為だと思いたい。
「……というか本当、凄いな。私の変装をことごとく見破ってくれる」
「雷蔵先輩には雷蔵先輩の、三郎先輩には三郎先輩の表情がありますから」
「えー、私特有の表情を見られていると思うと……なんか照れくさいな」
もしかして三郎先輩は結構照れ屋だったりするのだろうか。
素顔を隠しているのもそれが原因だったりして。
……いや、変装の達人と呼ばれる人の理由がそれであってほしくはないけど。
「早く帰ってくるといいな」
お前の想い人。
ニタリと笑って、私の頭をひと撫でした。
そういうところですよ、と一言返せば、知ってる、とまた笑った。