恋、其れ即ち
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「この私の変装を見破るだなんて、お前一体何者なんだ」
この私、と言われましても。
どの私だか知らないのですけど。
頭に疑問を浮かべた様子が伝わったのか、三郎先輩は目を見開いた。
「決して天狗になったわけじゃないが……俺を知らないとはおそれいった。
五年ろ組の名物の片割れで、変装名人とかいう異名の鉢屋三郎だよ」
「……あれ、苗字違いますね……?」
「ふふん。これは私の素顔じゃない、ただの変装さ。
この学園で私の姿を知る者は誰一人いないんだ。恐れ入ったか?」
え……こ、これ、変装なの。
髪質や、顔まで全て不破先輩にそっくりだというのに。
なんなら触ってみるか、私特製のヘアピース。
そう言われて誘われるように鉢屋先輩の髪を触ると、極上のもふもふに手を包まれた。
「……す、すごい……も、もふもふですね」
「だろう? でも本物の雷蔵の髪はもっとふわふわなんだ。お前……なんて言ったっけ?」
「あ、わ、私のな、なまえ……高円寺紗十子です」
そうか、じゃあ高円寺。
「高円寺も直接雷蔵の髪を触ってみろ。まさに桃源郷と言えるぞ」
「そ、そこまで言うのですか!? と、いうか、その、それはちょっと失礼に当たるのではないでしょうか……」
そう言うと、鉢屋先輩はニタリと意地の悪い笑みを浮かべた。
「私にはしたのに?」
「あ、貴方が触ってみるかと言ったんでしょう……!」
「そう言えばそうだったな」
……は、鉢屋先輩、絶対にわざとやってるでしょう。それ。
ともかく不破先輩と違って鉢屋先輩は意地の悪い性格なのだということがよーく分かった。
こんな調子だと各方面に悪戯してそうだけども、よく不破先輩は鉢屋先輩に姿を化しているなあ。
それほどまでに二人には信頼関係があるということだろうか、それとも不破先輩が適当なだけ……?
「……そうだ、私のことは三郎先輩で構わないぞ」
「えー……またさっきみたいなこと言わないでくださいよ?」
「それは大丈夫だ」
じゃ、私は用があるから。
そう言って窓から出ていった三郎先輩がこれまた意地の悪い笑みを浮かべていることは、私は知るよしもなかった。
この私、と言われましても。
どの私だか知らないのですけど。
頭に疑問を浮かべた様子が伝わったのか、三郎先輩は目を見開いた。
「決して天狗になったわけじゃないが……俺を知らないとはおそれいった。
五年ろ組の名物の片割れで、変装名人とかいう異名の鉢屋三郎だよ」
「……あれ、苗字違いますね……?」
「ふふん。これは私の素顔じゃない、ただの変装さ。
この学園で私の姿を知る者は誰一人いないんだ。恐れ入ったか?」
え……こ、これ、変装なの。
髪質や、顔まで全て不破先輩にそっくりだというのに。
なんなら触ってみるか、私特製のヘアピース。
そう言われて誘われるように鉢屋先輩の髪を触ると、極上のもふもふに手を包まれた。
「……す、すごい……も、もふもふですね」
「だろう? でも本物の雷蔵の髪はもっとふわふわなんだ。お前……なんて言ったっけ?」
「あ、わ、私のな、なまえ……高円寺紗十子です」
そうか、じゃあ高円寺。
「高円寺も直接雷蔵の髪を触ってみろ。まさに桃源郷と言えるぞ」
「そ、そこまで言うのですか!? と、いうか、その、それはちょっと失礼に当たるのではないでしょうか……」
そう言うと、鉢屋先輩はニタリと意地の悪い笑みを浮かべた。
「私にはしたのに?」
「あ、貴方が触ってみるかと言ったんでしょう……!」
「そう言えばそうだったな」
……は、鉢屋先輩、絶対にわざとやってるでしょう。それ。
ともかく不破先輩と違って鉢屋先輩は意地の悪い性格なのだということがよーく分かった。
こんな調子だと各方面に悪戯してそうだけども、よく不破先輩は鉢屋先輩に姿を化しているなあ。
それほどまでに二人には信頼関係があるということだろうか、それとも不破先輩が適当なだけ……?
「……そうだ、私のことは三郎先輩で構わないぞ」
「えー……またさっきみたいなこと言わないでくださいよ?」
「それは大丈夫だ」
じゃ、私は用があるから。
そう言って窓から出ていった三郎先輩がこれまた意地の悪い笑みを浮かべていることは、私は知るよしもなかった。