恋、其れ即ち
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弓の助言通りに早くに食堂に来てみると、確かに不破先輩は迷っていた。
……もう一人不破先輩らしき髪質の先輩がいるのだけれど、もしかして不破先輩は双子なのだろうか。
双子といえば差別が絶えないだろうから、色々苦労されているのかもしれない。
「……! 紗十子ちゃん。おはよう」
「お、おはようございます……」
迷っている姿が見慣れないからもう少し見ておきたいと思ったのだが、
その前に気配を察されてしまったらしい。さすが先輩だ。
「雷蔵、このくのたまと知り合いなのか?」
私への訝しげな視線を隠しもしないのは、おそらく不破先輩の双子の兄か弟だろう先輩だ。
……私、なにか失礼なことを知らぬうちにしてしまったんだろうか。
「うん、まあね。三郎……紗十子ちゃんはどれにするつもりなの?」
「……えっ、と、こっちです」
じゃあ、僕もそれにしよう。
そう言うと双子の先輩は驚いたようで、それでいいのか?と確認した。
「うん。ねえ、紗十子ちゃん。よかったら一緒に食べない?」
「えっ、そ、それはちょっと、先約があるというか……友達と一緒に食べるので……」
それじゃあ仕方ないね。じゃ、また夕飯の時に。
不破先輩はそう言って食堂のおばちゃんの方に朝食を取りに行った。
もう一人の先輩は私を一瞥すると、不破先輩の後を追っていった。
「聞いてたけど……勿体ない! 私との約束なんか、破っちゃったっていいのに。
次、誘われたら不破先輩と一緒に食べて。いい?」
「え、う、うん……?」
そりゃ不破先輩と一緒に食事は楽しそうだけど……弓とも一緒に食べたいんだけどなあ。
「もしかして、弓も……とか言い出すつもりじゃないでしょうね。
それじゃ意味ないんだよ。きっと不破先輩は紗十子と二人きりがいいんだろうから」
「ええ……なんでよ。不破先輩はこんなへっぽこが好きなわけでもあるまいし」
「……これは、前途多難そうだなあ……」