そのいち
あなたの名前はなんですか?(夢小説機能)
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「おわあっ……! な、なんだよ……急に抱きつくなって」
ボサボサ頭が見えたから、無条件に飛びついた。その髪の持ち主はビク、と身体を震わせたと思えば私を軽く叱る。
それでも突き放しはしないのだ。……相変わらず八左ヱ門は優しいなあ。そんなんで忍者になんて本当になれるのかな、なんて言ったらまた怒られるんだろうけど。
すりすりとボサボサの結髪に顔を埋めると、中からたくさんのみのむしが覗いていた。
「ふふ、可愛いなあ……」
「そんなこと言ってくれるのお前くらいだよ、くのいちはみんな気味悪がるからな……」
「こんなに可愛いのに不思議だねえ」
しばらくそのまま髪に頭を埋めていることにしよう。
……八左ヱ門のそばにいると、落ち着くなあ。私も虫になってこの髪の中に住みたい……。
そろそろ気分も落ち着いたしいいかな、と思ってそのままどこかにいこうとすると、待てよ、と八左ヱ門に呼び止められてしまった。
「なあ、お前。またなにかあったんだろ?」
「……なんで分かったの」
「そりゃ……わかんだろ。普段はこんなことしないしな、お前は。もっと頼ってくれたっていいんだからな。こんなになるまで無理しないでくれよ」
八左ヱ門から近寄ってきたかと思えば、わしゃわしゃと頭を撫でられた。
八左ヱ門には、迷惑をかけてばっかりだ。くのいち教室唯一の生物委員ということで、どこか浮きつつある私のそばにずっと前からいてくれている。そんな彼につい甘えてしまうのは、私の悪い癖なんだけど。
……でも、八左ヱ門がいいって言うんだったら、いいよね。
他の人がなんと言おうと、これは私と八左ヱ門の問題で、八左ヱ門がいいって言えばそれでいいんだ。
「……これからもよろしくね」
「当たり前だろ? これからもずっと、よろしくな」
ボサボサ頭が見えたから、無条件に飛びついた。その髪の持ち主はビク、と身体を震わせたと思えば私を軽く叱る。
それでも突き放しはしないのだ。……相変わらず八左ヱ門は優しいなあ。そんなんで忍者になんて本当になれるのかな、なんて言ったらまた怒られるんだろうけど。
すりすりとボサボサの結髪に顔を埋めると、中からたくさんのみのむしが覗いていた。
「ふふ、可愛いなあ……」
「そんなこと言ってくれるのお前くらいだよ、くのいちはみんな気味悪がるからな……」
「こんなに可愛いのに不思議だねえ」
しばらくそのまま髪に頭を埋めていることにしよう。
……八左ヱ門のそばにいると、落ち着くなあ。私も虫になってこの髪の中に住みたい……。
そろそろ気分も落ち着いたしいいかな、と思ってそのままどこかにいこうとすると、待てよ、と八左ヱ門に呼び止められてしまった。
「なあ、お前。またなにかあったんだろ?」
「……なんで分かったの」
「そりゃ……わかんだろ。普段はこんなことしないしな、お前は。もっと頼ってくれたっていいんだからな。こんなになるまで無理しないでくれよ」
八左ヱ門から近寄ってきたかと思えば、わしゃわしゃと頭を撫でられた。
八左ヱ門には、迷惑をかけてばっかりだ。くのいち教室唯一の生物委員ということで、どこか浮きつつある私のそばにずっと前からいてくれている。そんな彼につい甘えてしまうのは、私の悪い癖なんだけど。
……でも、八左ヱ門がいいって言うんだったら、いいよね。
他の人がなんと言おうと、これは私と八左ヱ門の問題で、八左ヱ門がいいって言えばそれでいいんだ。
「……これからもよろしくね」
「当たり前だろ? これからもずっと、よろしくな」
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