結末編
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千鶴は、笑っていた。
あの天女を想起させる、太陽のような笑い方で。
気付いているのかいないのか、私にはもう知る術はない。
千鶴がその笑みを向けるのはいつも天女様に向けるものであった。
……つまり、特別の、証のひとつだった。
ーーああ、私が千鶴を殺す理由なんかなければよかったのに。
そんな酔狂なことを考えてしまうくらい私は幸せに満ちて、
そして、その言葉に答える代わりに手に持った武器を振り落としたのだ。
小さな異変も町から消え去って、世界に平穏が訪れた。
私は千鶴を殺したことを後悔なんかしない。
誰もそれを知らずとも、千鶴が死ぬことによって世界は救われたのだ。
私と千鶴はきっと、交わってはいけない運命だった。文字通り、私と彼女は別世界の人間だから。
私が千鶴に出会えた時点で、それは偶然で奇跡だったんだ。
平成では既に死んでいたみたいだが、千鶴は再び平成に返り咲くのだろうか。
まあ、もう彼女なら上手くやって行けると思うけど。
私は千鶴を愛しているし、千鶴だって私を愛している。
その結果が死であろうともその事実は変わりないし、死によって世界は救われた。
いつしかバラバラになってしまった家族も、
痺れてしまった生死感も、
すべてが救われた、そんな救済の物語だった。
私達は、それぞれの道を歩みだす。
それぞれにはそれぞれの未来があって、それは光に満ちている。
そう――これは、決して悲しい物語なんかじゃないんだ。
完.
あの天女を想起させる、太陽のような笑い方で。
気付いているのかいないのか、私にはもう知る術はない。
千鶴がその笑みを向けるのはいつも天女様に向けるものであった。
……つまり、特別の、証のひとつだった。
ーーああ、私が千鶴を殺す理由なんかなければよかったのに。
そんな酔狂なことを考えてしまうくらい私は幸せに満ちて、
そして、その言葉に答える代わりに手に持った武器を振り落としたのだ。
小さな異変も町から消え去って、世界に平穏が訪れた。
私は千鶴を殺したことを後悔なんかしない。
誰もそれを知らずとも、千鶴が死ぬことによって世界は救われたのだ。
私と千鶴はきっと、交わってはいけない運命だった。文字通り、私と彼女は別世界の人間だから。
私が千鶴に出会えた時点で、それは偶然で奇跡だったんだ。
平成では既に死んでいたみたいだが、千鶴は再び平成に返り咲くのだろうか。
まあ、もう彼女なら上手くやって行けると思うけど。
私は千鶴を愛しているし、千鶴だって私を愛している。
その結果が死であろうともその事実は変わりないし、死によって世界は救われた。
いつしかバラバラになってしまった家族も、
痺れてしまった生死感も、
すべてが救われた、そんな救済の物語だった。
私達は、それぞれの道を歩みだす。
それぞれにはそれぞれの未来があって、それは光に満ちている。
そう――これは、決して悲しい物語なんかじゃないんだ。
完.
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