天女様ことひなちゃんが消えたことにより、大会後もそのままにしていた四年生たちも元に戻り、
真島伊織はその役目を終えて落第した扱いになった。


「……して、お前は学園の救世主となったわけじゃが、それでもその命を絶つというのか?」


天女様が消えて、あの大きなブラックホールも消え去った。

だけども異常現象はまだまだあるようで、あの付喪神が言うように
私もこの世界から消えなければこの世界は崩壊してしまうだろう。


理由を述べながら、無論そのつもりだということを教えると、
学園長は少し考える素振りを見せたあとに笑った。



「……確かに、お前は自分の方法でこの学園を救った。
それなら、この世界も自分の方法で救って見せるべきなのかも知れんな」

「納得していただけたようで何よりです。それでは、失礼しました」


音を立てないように戸を閉めると、すでにその戸の横には三郎が立っていた。


「……じゃあ、三郎。あとは頼んだよ」

私の不死の抜け道に心当たりがあるという三郎に、私は腕を預けた。