真相編
あなたの名前はなんですか?(夢小説機能)
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目が覚めて、一目散に駆けて行ったのはひなちゃんの元だった。
後ろから聞こえてくる三郎の声を無視して彼女の元へ急いだ。
「……ひなちゃん」
伝えたいことは沢山ある。
ひなちゃんは私にとって唯一の特別な存在だった。
……だけど、私は新しい父から気に入られなかった。
高校生になってから、私は一人暮らしをするように言われ、仕送りはしてもらっていたけど、
ひなちゃんと会うことを禁じられた。
だから、ひなちゃんと会ったのは、ひなちゃんが中学に入学する年で最後だった……。
私はショックを受けながらも高校生活をなんとか乗り越えたけど、
大学生になってまた死にたくなるような衝動が私を襲って、そしたら、私は本当に死んだんだ。
「真島くん……無事で良かっ――……えっ?」
ひなちゃんを無言で抱きしめると、ひなちゃんは固まって私の顔を見る。
……あぁ、私。
今本当に情けない顔をしているかもしれない。
「また、情けないところを見せちゃいましたね……なんて。
ひなちゃん……私が千鶴だよ」
真島の決まり文句を並べて、私は正体を自白する。
待たせてごめんね、と、抱きしめる力を強めると、ひなちゃんもぎゅっと、私を抱きしめた。
「…………大きくなったね、ひなちゃん」
あんなに小さかったのに。
今ではそう私と変わらないんだから。
「ずっと、会いたかった…………お姉ちゃんだけが私の居場所だった。
それなのに……私、もう……」
ひなちゃんの体が透けて、だんだんと触れている実感が無くなっていく。
「……さようなら」
そして、そのまま砂のようになって風に流されていったひなちゃんと同時に、
ブラックホールが無くなっていく音がした。
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