「お姉ちゃん……ですか」

私は姉妹諸共死んでこの世界にやってきた身だけど、
もしかしたら、天女様のお姉ちゃんもこの世界にやって来てるんだろうか。


「……でも、私と似ているんだったら、あんまり似てないご姉妹だったんですね」

「さすが! 鋭いね。実は、お姉ちゃんと私は血が繋がりなんてなくて、
両親の再婚をきっかけに出来た姉妹なの」


……おっと、これは失礼なことを聞いてしまったかもしれない。


「……ごめんなさい」
「ううん。別にいいよ」


それでね、天女様は太陽のような笑顔で話を続ける。


「お姉ちゃんは妹がずっと欲しかった! なんて言って私を可愛がってくれたの。
自分の名前がどうしても嫌だった私に――」

「話の途中ですみませんが、そろそろ次に行きましょう」


三郎が真剣な顔で私達に言った。どうやら説得は早めに済んだらしい。

……それにしても、嫌な胸騒ぎがする。
きっと三郎もこの嫌な感じを察知しているんだろう。


何も知らない天女様を怖がらせるわけにもいかないので、私は笑顔で天女様に語りかけた。

「続き、いつか聞かせてください」

それにまた、あの笑顔で天女様は答える。

「うん! また、話すよ」