いや、こういう時は部外者は首を突っ込まないのが一番だぞ。

お前らもよく知ってるはずだろ……。


三年のときに食堂で、記憶喪失の千鶴が兵助と豆腐のことで論争をしていたとき、
俺は忠告をするだけで決して口は出さなかった……。




……そういえば、千鶴とはそれから仲良くなったけど、記憶は戻ったのかな。


天女様が現れてからというもの、俺は千鶴と会っていない。

…………いや、それだけじゃなくて、委員会だってそうだ。



俺は……天女様が現れてから、天女様以外のことを考えられなくなっていたんだ。


そのことに気付いた瞬間、俺は委員会に戻らなくてはいけないと思った。


『……気が付いたみたいだな』
『僕達が誤魔化しておくから、今すぐ帰って来なよ』

どうやら先に正気に戻っていたらしい三郎と雷蔵に背中を押されて、俺は二人にお礼を言いながら踵を返した。