「すみません、遅れました!」


私が三郎と共に待ち合わせの門前に行くと、すでにみんな揃っていた。

……全員あの馴染み深いメンバーだから、呼び間違いをしないように気をつけなきゃな。
そう覚悟を決めたとき、天女様と竹谷が固まっていることに気付く。


「おほー……」

竹谷は固まっているどころじゃなく放心までしていた。
……いつも思ってたけど、おほーってなんなんだろう。



「……あの、天女様、竹谷先輩。どうかしたんですか?」

先に硬直が溶けたのは竹谷だった。


「えっ……!? お前、本当に四年の伊織!?」
「あはは、そうですよ。立花先輩に手伝って貰ったので、完璧でしょう?」


実は女と気付かれてこの場で斬られるんじゃないかって心配してたんだけど、
どうやら立花先輩の化粧のおかげでバレていないみたいだ。



……天女様はどうして固まっているんだろう。

そう考えていると、天女様の頬に一筋の涙が伝っていることに気付く。