私がしらみつぶしに体育委員会を探していると、何やら泣き声が聞こえた。


……この声は滝夜叉丸じゃないか! 一体どうしたんだ?

うーん、まぁ、考えるのは苦手だ!
とりあえず当たって砕けろ! いけいけどんどーん!


「滝夜叉丸! 一体、どうしたんだ?」
「な、七松先輩……」


うわ、ひどい顔だ。
少なくともこれで学園のアイドルとは笑止千万だ!


自分の袖で涙と鼻水を拭おうとする滝夜叉丸を慌てて制し、手拭いを手渡す。

「ありがどう……ございます」
「お礼はいい。お前が落ち着くまで隣に居させろ、いいな」

もちろん拒否権はない。

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「……大分落ち着いてきたみたいだな」

私がそう言うと、滝夜叉丸は泣いている理由をぽつぽつとつぶやき出した。


……うーんと。
大まかに内容をまとめると、同室の喜八郎に嫌われてしまったのではないかと悩んでいるらしい。


「話を聞く限りじゃ、別に喜八郎はお前のことを嫌っていないと思うが」
「……なぜ、そんなことが言いきれるのですか?」


一瞬ピクリと肩を揺らした滝夜叉丸は、不安げな瞳で私を見た。


それに対して、私は安心させるように笑顔で言う。