『天女様のお気に入りになって、天女様とあなた方の時間を減らそうとしているんですよ』


なんのためにだ、と深くつっこんでくる小平太先輩。

この先輩が細かいことを気にしているのも天女様の影響なのかな?
だとしたらちょっとはそのままでいて欲しいんだけど……。


『天女様に夢中になるあまり、委員会を下級生に任しっぱなしになっているからですよ』
『委員会を下級生に任せているのは、私達が下級生を信頼しているからだ』


最もらしい理屈を述べているけど、理由はどうあれ事実は事実だ。


『笑わせないでください。
下級生のみで仕事が全て出来るのであれば、初めから上級生の委員会所属者は不要ですし、
人手不足なんか起こりえないでしょう。熱心に委員会勧誘していたことをお忘れですか?」


小平太先輩の目をじっと見つめて答える。

私は天女様の近くにいないときは極力委員会の手伝いをしている。
下級生の苦労や、寂しさはそれなりに理解しているつもりだ。


……お願い、伝わってくれ。



『……なるほど、お前の思いは伝わったぞ!
確かに私は間違っていた……さっそく体育委員会に行ってくる!』

あっさりとほだされてくれた小平太先輩に、私はふぅ、と肩を落とした。