『お姉ちゃん。裏山に遊びにいかない?』

ひなちゃんの提案により、本日私たちは裏山に出かけることになった。

「あっ、千鶴ちゃん。お出かけ?」

この人は……誰だっけ。
矢羽根でひなちゃんに質問してみると、この人は事務の小松田さんらしい。

「あっ、これ私たちの外出届けですっ!」


「……え、あぁ、うん……? 行ってらっしゃい」

私は二枚分の外出届けを半ば押し付けるような形で小松田さんに渡し、そのままの勢いで門の外に出た。
……私は死ぬほど裏山が楽しみだ。

・
・
・

ひなちゃんと景色のいいところでランチをしていると、
彼女は突然用事を思い出したと言って超特急で帰ってしまった。

でも、ひなちゃんを巻き込まなくて済むのは好都合だ。

なるべく深い森を通る。
……先生が最近山賊が多いとか言ってたし、多分会えないことはないと思うんだけど。


人に殺されるって、すっごい死因だと思わない!?

しかも、私がまた死んだら転生してしまうのかっていう疑問も晴れる!
そのまま死んだら死んだで私は嬉しいし!

この世界ではよくあることかも知れないけど。

普通に暮らしていれば殺されるなんてこと絶対ないんだから!


「そこの女ッ!」

きっとここでは絶望すべきなのだろうけど、私の目は輝いていた。