「そうだ兵助、その通りだ! 特に竹谷は……」
「はあっ!? 俺だけじゃないし……」


そのまま言い争いが始まり、お互いの様子の報告会が開かれた。


話の内容をまとめると……。


兵助は思考が追いつかずに唖然とし、

尾浜も何も言わないと思ったら突然静かに泣き出し、

竹谷は医務室で泣き叫び気持ちは分かるが静かにしろと保健委員に怒られ、

雷蔵は泣くことなくみんなを慰めていたが全く夕飯が喉を通らず、

三郎は泣きすぎてお面がグチャグチャで伏木蔵が大喜びだったらしい。



「それにしても……こんなに無茶をしてるのに、なんで千鶴は死なないんだろう?
今回にしても、今までのことにしても」


尾浜がそう言うと、みんな考え始めてしまった。


……うわ、考え込まれるとなおのこと雷蔵と三郎の見分けがつかない。
やっぱり三郎って凄いんだな……。

考え込んでいるみんなをよそに、私は三郎の変装術に改めて感心していた。



「病は気から……ってやつなんじゃない? 千鶴ちゃんが死なないと思っているから、死なないんだ」

珍しく一番に顔を上げた雷蔵に、そういうことかと納得するみんな。
そんな中一人だけ不可解な顔をしている兵助は、ボソリとこう呟いていた、


「それで不死が可能なら、人は、誰も死なない……」


私はそれを聞いてなんとも言えない気分になったが、
なんとなく兵助は、思ったより達観していて現実主義者なんだなぁと思った。