三郎に教えてもらった変装で、忍たま敷地の図書室に入ることになった。


「ん? 三郎……」
「少し予習復習をしに来た。図書室を借りさせてくれ」

「じゃ……なさそうだな、一体誰だ?」


速攻バレた……。
さすが普段一緒にいるだけあって三郎のことを理解してるんだな。



「……ええっ、誰だろう? 兵助はこんなことをするはずがないし、勘右衛門?
いや、八左衛門かもしれない……ううーん……?」

まあ、悩み癖が発動しちゃったみたいだけど……。



「……っん……!?」

面白がっていきなり雷蔵に抱きついてやると、
いつの間にか来ていた本物の三郎に腕を引かれ、抵抗する術もなく三郎の胸の中にダイブしてしまった。


『千鶴、雷蔵に抱きつくためにわざわざ精度の低い私に変装しただろう』
『なんで忍たま敷地に……!? っていうか、なんで僕に抱きついたの……?!』

矢羽根で騒ぎ出す二人は錯乱しているみたいで、特に雷蔵は酷かった。


返事が面倒になって、私は意味もなくニタリと
意味ありげな笑みを浮かべてみたら、さらに矢羽根がうるさくなった。