あとがき&番外編
あなたの名前はなんですか?(夢小説機能)
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
食に関しては、喧嘩の絶えない仲だった。
だからこそ、好きな食べ物だけは人一倍知っているのだ。
豆腐は絹ごし、あんこはこしあん。それ以外にも、たくさん。
いくらでも好きな物を食べさせてあげる。
だから、どうか向こうでもお元気で。
……ああ、死んだらそれでおわりなんて。
そんな考えはもう、出来なかった。
-久々知兵助
ーーー
貴方の冷静ぶりに、僕はまさかと思った。
うそ、先輩を一番想っていたのは、貴方のはずでしょうに。
もしそうなら、納得がいかない。なんで、よりにもよって貴方が。
……でも、動機は聞かないことにした。
「……喜八郎。穴を、掘ってくれてありがとう」
貴方が愛おしげに先輩を見つめるから、聞いてはいけないと思ったのだ。
-綾部喜八郎
ーーー
心臓の音は聞こえなかった。それでも僕は信じられなかった。
いつも死んだと思ったら、ケロッとしてるものだから。
ただただ、虚しくて、悲しかった。
もう、もう彼女はいないのだと思うと、僕は。
「……ただの世話のやける後輩だったはずなんだけど」
ああ、僕はきっと……。
暴れ出さんとする感情の波の音を、僕は聞かぬことにした。
-善法寺伊作
ーーー
私はお前が好きだった。
過去形にした理由は、私が彼女を殺したからだ。
特別を作らない人だった。私はそれになりたかった。
……今となっては分からないけれど、共有された秘密はそれの証だったのかもしれない。
しかしそれだけじゃ足りなかった。
お前を最期まで見届けた唯一の人間になりかった。
……後悔なんかしちゃいないが、でも、まあ。出来るなら、もう一度お前にああ聞いてみたかったよ。
-鉢屋三郎
5/5ページ