ナデシコ
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「えっ」
「アハッ、クリオネちゃん変な顔」
こ、この人…ほぼほぼ初対面、少なくとも話したのは今日が初めてなのに…。もしかしたら、彼の出身国はキスは挨拶の内なお国柄なのかもしれない。そう思ったがニヤニヤとしたその顔を見るに確信犯だろう。そりゃ私は幽体なので感触もわからないし彼の唇も空気に触れたようなものだが、その行為自体に慣れていない私は自分の顔が熱くなるのを感じた。実際熱くなっているかはともかく。
「っ、フロイド!」
「あー、ジェイドだ」
「貴方、何をしているんですか」
珍しく息を切らして走ってきたジェイドさん。こちらをチラッと見たかと思うとフロイド、さん?の方に向き直した。
「無闇に女性の手にキスをしてはいけません」
「いーじゃん、減るモンじゃねーし」
「全く、困りましたね」
全く困っていなさそうな表情でそう言ったジェイドさんは、フロイドが申し訳ありません。と謝った。対してフロイドさんは楽しそうな表情でジェイドさんのことを見つめていた。
「行きますよ、フロイド」
「えぇー、もっとクリオネちゃんと遊ばねぇの?」
「貴方、今日はアズールに頼まれていることがあるでしょう」
「ハァめんどー。クリオネちゃん、またねぇ」
フロイドさんを見送るとジェイドさんは改めてこちらを向き、先ほどのフロイドさんと同じように手を私に差し出した。これは、手を乗せてもいいのだろうか。ゆっくりと彼の手に自分の手を重ねる。
「ジェイドさん…?」
「フロイドばかりズルイでしょう」
跪いた彼はフロイドさんよりも長く、私の手の甲にキスをしたのだった。