ナデシコ
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「そういえば、まだ貴女から僕のことをどう思っているのか聞いていませんでしたね」
「えっ、それは…ジェイドさんなら私の態度でわかって頂けるかなと…」
「フフッ、全然わかりません」
「絶対、嘘!」
「僕は名前さんに弄ばれていたのですね…シクシク」
「うっ…」
両手で顔を覆い泣き真似をするジェイドさん。もじもじと胸元のネックレスに触れる。その様子を彼は指の隙間から覗いていた。ジェイドさんはあんなにストレートに気持ちを伝えてくれているのに、私が恥ずかしがっていてはダメだというのは分かっているが、こう、催促をされるとどうしても恥じらいが出てしまう。その場のノリというものがあるではないか、と悶々とする。すると、唐突にジェイドさんが話し始めた。
「僕のユニーク魔法はご存知ですか?」
「ユニーク魔法、ですか?そういえば聞いたことありません」
「では名前さん、こちらを見て」
「?」
「ショック・ザ・ハート」
「なにを…、」
「僕のことはどう思っていますか?」
「ジェイドさんは意外と性格が悪いんだなと思ってます…って、え!違うんです!」
「へぇ…」
「口が勝手にっ…」
「では、質問を変えましょう。僕のことを、愛していますか?」
「愛してます。この世で1番、大切な人です…っ」
まさかこれがジェイドさんのユニーク魔法。私の口が勝手に紡いだ私の本心。パクパクと餌を求める魚のように口を動かした。顔から火が出そうだ。ジェイドさんは満足そうに微笑むと、次の瞬間、これまで見たことのない程楽しげな表情を浮かべた。眉根を寄せ、目元は弧を描くように歪ませる。口角を上げ、特徴的なギザギザの歯を見せるように笑ったのだ。背筋が凍った。
「あの、ジェイドさん…?悪い顔をしてます…」
「あぁ、怖がらせてしまって申し訳ありません。貴女が僕のことを性格が悪いと思っていたなんて…悲しくなってしまいました」
「その割には楽しそうです…」
「えぇ、勿論。ふふっ、貴女にはしっかりと、僕は優しい人魚だということを刻み付けなければなりませんね」
「人魚…?」
「早速ですが、僕の部屋へ参りましょう」
「さ、流石に男子校の寮に勝手にお邪魔するのはマズいです…!それに人魚って、なんですか?」
「バレなければ大丈夫ですよ。後者に関しては後程、じっくりと教えて差し上げます」
そう言いながらウインクをしたジェイドさんは私の背中と膝裏に手を添え思い切り抱き上げた。思わず彼の首に手を回す。ギュッと抱きついた私の耳に口を寄せた彼は甘噛みをし、囁いた。
「今夜は逃がしませんから、覚悟してくださいね」
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