ナデシコ
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幽霊になってしまったらしい私には特にすることは何もなく。記憶を取り戻したいと言っても何をすればいいのかわからないので、最近はふわふわ漂いながら学園内を散策することが楽しみになっていた。特にお気に入りの場所は植物園だ。
「あっ、これ…キクラゲだ」
キクラゲを育てる人いるんだ。まじまじとその原木を見つめていると後ろからコツ、と靴の音がした。
「キクラゲ、ご存知なんですね」
振り向くとニコニコと笑みを浮かべた長身の男が立っていた。彼は近くまでくると、私の横に腰を下ろした。
「これ、僕が育てているんです」
「そう、なんですか…」
「えぇ。可愛いでしょう」
愛おしそうに原木を見つめるその人は学園内で見たことがあった。長身で同じ顔の男が2人並ぶ姿は目立っていたので覚えている。キノコを育てるなんてよっぽどキノコが好きなのだろうか。男子高校生にしては珍しい、というか中々マニアックな趣味だなぁと彼の横顔を見つめた。
「僕の顔に何かついていますか?」
「すみません、綺麗な横顔だったのでつい」
「それはそれは。フフッ、ありがとうございます」
僕はジェイド・リーチと申します。
貴女は名前さん、ですよね?
どうぞよろしくお願い致します。
微笑みながらこちらを向き、丁寧にお辞儀をした彼、ジェイドさんは黙々とキノコのお世話をした後、植物園を後にした。