ナデシコ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
契約をした日から、7日目。
遂にジェイドさんと過ごす最後の日。
そして、アズールさんとの約束の日。
ジェイドさんに植物園に呼び出された私は、いつものように彼がお世話をしている植物の前で待っていた。そして、いつものようにコツコツ、と響く足音。
「名前さん、お待たせしました」
「ジェイドさん!」
「貴女と一日中一緒にいられるのも今日が最後と思うと寂しいですね」
「ふふふ、私はいつでもこの学園にいますから。ジェイドさんが卒業するまでは嫌でも毎日会えますよ」
「それでは僕が困るのです」
いつも困る、と言いながらも表情は楽しそうだったジェイドさんが、今本当に困っているかのような顔になっている。あぁ、本当に毎日会うのは嫌だったのかな、と考えながら頭ひとつ分以上も高い位置にある彼の顔を見上げた。彼は何かを言いたげに口を開いたが、一度閉じた。
「…行きましょうか。アズールが待っています」
「はい…」
「名前さん」
歩き出したところで名前を呼ばれ、再び彼の顔を見上げると彼の顔が近づき、私の唇に彼の唇が重なった。ゆっくりと離れ、目を開けたジェイドさんは真剣な表情をし、至近距離で私を見つめる。
「僕は貴女に本当に触れたいと思っています。このような擬似的なキスではなく、貴女と蕩けるようなキスをしたいと」
「そ、れは、えと、」
無言で見つめ合う。何秒、いや何分たっただろう。そう思うほど時間が長く感じる。どう返事していいのかわからず、目を泳がせる。その様子をみたジェイドさんはゆっくりと離れた。
「僕は先にアズールの元へ向かいます。それでは名前さん、また後ほど」
「あっ、」
先に行ってしまったジェイドさんの背中を見送る。
本気なのだろうか。でも私はこんな体だし。そりゃ、出来ることなら私だって。でも、他に生きている人間はたくさんいるのに。ぐるぐると頭の中を駆け巡る。
「私も、ジェイドさんに触れたい、です…」
呟いた言葉は宙に消えた。