ごちゃまぜ
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※not夢。オクタ3人がわちゃわちゃしてるだけ。アズール視点。
「ハァ?!今なんつった?」
モストロ・ラウンジの営業中。いつもよりも客足が少なく頭を悩ませていたところ、閑古鳥が鳴く店内にフロイドの怒号が響き渡った。またフロイドが揉め事か、どうせジェイドが上手くやるだろうと呆れ顔で声がした方へ顔を向けると、フロイドの揉め事の相手は思いもよらない人物だった。
「ふふっ、同じ事を何度も言われないと理解出来ない残念な頭をしていらっしゃるんですねフロイド」
「ジェイドはその胡散臭い顔に底意地の悪さが滲み出てるよねぇ?」
「おや、僕たち同じ顔をしていますので盛大なブーメランでは?」
口角をひくひくさせ、明らかに苛立った様子のフロイドと、口元は笑みを浮かべているが目は鋭く光り、全然笑っていないジェイド。
2人を見て思わず一瞬怯むが、周りを見ると従業員達も僅かに店内にいた客も、全員がギョッとした顔で2人を見て固まっていた。これはマズイ。まずは2人を何とかしなければ、と2人の間に割って入った。
「ここはホールですよ、2人とも。お客様が少ないとはいえ、みっともない真似はおよしなさい」
「アァッ?ジェイドに言えよアズール!」
「フロイドが幼稚なせいで申し訳ありません、アズール」
「ジェイドがキノコ食べ過ぎで頭毒されてるせいだろ」
「僕は2人に言っているんです!喧嘩するなら別室へどうぞ」
未だにいがみ合う2人をVIPルームへと押し込み扉を閉める。幼少期から2人には付き纏われ、いつも3人で過ごしてきたが、こんなにお互いを罵る2人は初めてみた。ふぅ、と溜息を吐き、2人に向き合う。
「で?何があったんです?」
「アズールには関係ねぇし」
「アズールには関係のない事です」
2人でシンクロしたかと思うと顔を見合わせ今にも噛みつきそうな顔でお互いを睨んだ。やれやれ、全くこの兄弟は。頭を抱えたが、どうせいつもの気まぐれだろう。すぐ仲直りするはずだと、今日は2人に休暇を与え、様子を見ることにしたのだが。
次の日の校内は、あのリーチ兄弟が喧嘩をしたと噂で持ちきりだった。噂が噂を呼び、やれ殴り合いだ、決闘だなんだと尾ひれがどんどんついていったがそんな噂を気にすることもない当の本人達はというと。
「アズール、なんかこの辺キノコ臭くねぇ?」
「おや、アズール。頭の悪そうな虫が肩に止まっていますよ」
「イッテェな、オレの手にぶつかってきたんだから謝れよジェイド」
「何のことでしょう?僕はただ虫を追っ払っただけですが。水色頭のね」
「いい加減僕を挟んで喧嘩するのはやめろと言っているだろう!」
喧嘩は継続中だった。フロイドは気まぐれで機嫌が悪かっただけだと思っていたし、ジェイドはなんだかんだフロイドに甘い。寝て起きれば元通りになっていると思っていた2人の雰囲気は変わらず険悪。
それに2人は朝から互いに悪戯を仕込んでいたらしく、バケツに入った水を頭上から被せたり、落とし穴を作ったりしていたが、何故だかアズールがその悪戯の全てを喰らっていたのだ。この双子の喧嘩のせいで巻き添えを喰らったアズールは憔悴しきっていた。
「貴方達、喧嘩の原因は何なんです?」
「だからぁ、アズールには関係ないって」
「関係あります。現に僕が!迷惑を被っているでしょう!2人がこの調子ではモストロ・ラウンジの経営に影響が出ます。それにっ、」
「「それに?」」
「お前達ともう何年も一緒ですが、これまで一度だって喧嘩したことないだろう!これでも心配してやってるんですよ」
同じ顔でも微妙に違う、その2つの顔はキョトンとした表情になり、互いの顔を見合わせた。そして目と口を歪ませニヤリと笑うと、フロイドはジェイドの肩を組み、ジェイドはフロイドの腰に腕を回した。
「え〜、アズールオレらのこと心配してくれたのぉ?」
「ふふっ、アズールは僕らのことが大好きですからね」
「は…?」
「もうちょっと遊びたかったけど仕方ねーかなぁ」
「そうですね、フロイド。アズールも心配してくれている事ですし」
「お前達…、喧嘩をしていたのでは…」
「そんなの、ジョーダンに決まってんじゃん」
「少しだけ暇を持て余していまして」
「喧嘩ってどんな感じかなーって遊んでみただけだよねぇ、ジェイド」
「えぇ、フロイド。嘘とはいえ大切な兄弟に暴言を吐いてしまった事はすみませんでした」
「いいよぉ、ジェイド。そんなんオレもだしィ」
キャッキャウフフと笑い合う双子をみて、わなわなと肩を震わせたアズールは顔を真っ赤にし双子を睨んだ。
「お前らとは絶交だ!!」
そんな声が校内に響いたが、翌日には3人で仲良くランチをとる姿が目撃されたとか、されていないとか。
「ねぇねぇ、アズール。ほら、唐揚げあげる〜」
「ふふっ、僕の唐揚げも差し上げます」
「だからぁ、」
「機嫌直して?」「機嫌直してください」
「そんなんで僕が釣られるわけないだろう!」
「でも食べるんじゃん」
「うっ、煩い!こんな事は今回だけですからね」
「はい、肝に銘じます」
「でもさぁ、楽しかったから小エビちゃんにもやってみよ」
「それは面白そうですね」
懲りない2人を尻目にハァ、とアズールは溜息を吐くのだった。
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