恋をそだてる
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店に入ると彼女は飾り付けに勤しんでいた。そういえばそろそろクリスマスか、と思ったがその前に重大なイベントが一つ。
「オレ誕生日なんだよね」
「今日ですか?」
「22日」
「そろそろですね!」
「ししっ、22もここ来てやっから盛大にお祝いしろよな」
「ふふっ、準備してお待ちしてます」
普段なら誕生日なんてものは余り気にせず過ぎてしまうのだが、なんとなく彼女には知って欲しくて自分から教えた。別にプレゼントとかはいらないが、当日は彼女に会いたいような気がしたのだ。
「王子様は何がお好きですか?」
「寿司」
「お寿司は流石に私握れない…」
「いつものホットミルク入れてくれれば別にいいぜ」
「それじゃあプレゼントとはいえないです」
うーん、とオレの誕生日の為に頭を悩ませる姿は見ていてなかなか気持ちがいい。欲しいものは自分で手に入れられるし今まで誕生日に誰かからプレゼントを貰う事は考えたことがなかった。
「別にアンタの、」
顔が見られればそれでいい、そう言おうとして言葉に詰まった。なんだそれ。それって彼女のコトを気に入っているみたいじゃないか。
「王子様?」
「っ、また来っから!じゃあな」
急いで店を出て頭を冷やす。オレは王子で暗殺部隊だ。一般人の女に惚れるなんてそんなことはあり得ないだろ。ましてや名前も知らない女だ。そう考えて、ふと気づいた。
また名前を聞くのを忘れた。
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