恋をそだてる
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「ベルセンパーイ、今日って一般人に紛れるように私服風隊服のハズですよねー」
「あん?だからコレ着てんだろ」
「どうしてミーは今日も今日とてこんな被り物を被っているんでしょうかー」
「ししっ、シラネ。面白いからじゃん?」
「全然一般人に紛れてませんし、寧ろ視線を集めてますー」
ぶーぶーと文句を垂れるカエルと共に街中を歩く。ターゲットがこの付近に現れる予定なのだ。目線だけを動かし探すが、ターゲットではなく別のヤツを見つけてしまった。
「おい、フラン。ちょっと抜けるからターゲット探してろ」
「は?何言ってんですか、この堕王子ー」
悪態を吐くフランを尻目にアイツの元へ一目散に駆け寄った。
「よぉ」
「あら。こんにちは、王子様」
「なにしてんの?」
「今日は買い出しに来たんです」
「ふーん」
「王子様はお買い物?」
「ま、そんなとこ」
彼女と並び、一緒に歩く。隣の彼女は荷物をたくさん抱えてきょろきょろと周りを見ながら歩いているので、ヒョイっと荷物を奪った。
「あっ、」
「余所見してっとアブねーぜ」
「すみません…」
「うしし、仕方ねぇから王子が手伝ってやる。ありがたく思えよ」
「ありがとうございます」
並んで歩く間、ずっと彼女は街並みを眺めて目をキラキラさせていた。あまり街中を歩いたことがないのだろうか。彼女自身のことを聞きたい気持ちはあったが、大した話もできないうちにいつの間にか店まで辿り着く。彼女と荷物を無事に中まで送り届けるとお礼に、とクッキーとコーヒーを出してくれた。
「今日は手伝ってくれて本当にありがとうございます」
「別に暇だったしな」
「助かりました」
相変わらずほんわりと微笑んでいる。彼女の笑顔を見るとなんだかむずむずする。お礼のクッキーを頬張りながら彼女をジーっと見つめた。
「あ、」
「どうしたんですか?」
「なんでもない」
すっかり任務のことが頭から抜けていた。大した任務ではなかったし、フラン1人でも充分だろう。
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