恋をそだてる
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12月に入り本格的な冬到来。そんなある日のこと。いつも通り順調に任務を終え、さっさと帰っていつも通りシャワーを浴び、いつも通りに生意気なコーハイを的にダーツでもするかとぼんやり考えながら帰路についていたところに何となく目に留まったその店。カフェのようだが外から見る限り繁盛しているとは言えない、こじんまりとした店だった。いつもであればこんな店には入らないのだが、その日はいつもと違う気分だったのだ。
カランコロンと音がなる。その音に気づいた店員はニコッとこちらを見て微笑んだ。
「いらっしゃいませ」
カウンターに腰掛け、注文を考えるが特に何が飲みたくて店に入ったわけではなかったのでどうしようか、とメニューを見つめた。
「お決まりですか?」
「あー、適当にアンタが決めてくんね?」
「かしこまりました」
改めて店内を見渡すが客は1人もいない。それに店員もこの女1人だけらしい。黒髪を後ろで一つにまとめたその女は顔立ちやぎこちないイタリア語を話すところを見ると何処かからやって来たのだろう。
「お待たせしました」
「ホットミルクじゃん」
「えぇ。外寒いですし、お兄さんちょっと疲れてるみたいだから蜂蜜たっぷりにしときました」
「ししっ、オレの好きなもんよくわかったな」
別に疲れてねぇけど。人はこねーし、店員は気を遣えるヤツだし、たまにならココ来てやってもいいかな。そんなことを思いながらソイツのおすすめらしいホットミルクを口に運んだ。
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