海色の初恋
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ナイトレイブンカレッジは歴史ある魔法学校である。闇の鏡に選ばれし魔法士の素質を持った者のみ通うことができる学校なのだが、男子校であるが故、女である私からしたら謎のベールに包まれた不可思議な学校だった。
そんなナイトレイブンカレッジの指定服は、どれも巷の女性に人気がある。加えて服を着こなす学生達は見目麗しい生徒ばかりだと評判だ。私の友人も例に漏れず、ナイトレイブンカレッジの大ファンだった。7つの寮の各寮服も素敵だが、特に式典服が好みらしい。高級感のある布地に金色の刺繍。裾はヒラヒラとしていて、まるで人魚のように美しい。闇に紛れる漆黒がとびきりセクシーだと思うと熱弁を振るう彼女を尻目に、うんうん、と相槌を打って話を流していた。それがいけなかった。
「やったぁ!ありがとう、名前!1人じゃやっぱり心細くて…」
「うん…、ん?なにが?」
「それじゃあ、早速出発!」
あれよあれよという間に決まったナイトレイブンカレッジへの訪問。全国高校生陸上競技大会は毎年ナイトレイブンカレッジで行われており、学園も一般開放される。それが今日のことなのだが、今年は彼女の性癖を刺激しまくる式典服を身につけた学生達がモストロ・ラウンジという場所で給仕をしてくれるらしい。モストロ・ラウンジとはナイトレイブンカレッジのある寮の生徒達が経営しているカフェなのだそうだが、寮の中にある為、基本的には一般開放していないので貴重な機会だという。
「ちょっと待って、ぬか喜びさせて悪いけど私行くつもりないよ」
「なんで!名前だってイケメンが綺麗な服きて給仕する姿みたいでしょ?!」
「確かにイケメンは目の保養だけど…」
「それじゃあ行こうさあ行こう」
「だ、だって男の子ばかりの学校なんて緊張する!」
そうなのだ。私は生まれてこの方男の子とまともに話したことがない。エレメンタリースクールからずっと女子校育ち。男性免疫ゼロと言っても過言ではない。いきなり男子校に乗り込むなんてハードルが高すぎる。無理無理と首を振る私を引き摺り、彼女は無理やりナイトレイブンカレッジへ私を連れ出したのだった。
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