2章 日常品+a
名前変更
名前変更お話にて使用する、夢主(主人公)のお名前をお書きくださいませ。
【デフォルト名】
倉山 紅那(くらやま くれな)
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「とても良くお似合いですよ」
「ありがとうございます。あの、これは一体……」
「僕からのプレゼントです。では、座って食事を楽しみましょうか」
取り敢えず椅子に座るが、今日お世話になったのは私の方で、こんなドレスをプレゼントなんてやっぱり申し訳ない。
かといって、一度着てしまったものを返すというのも失礼になる。
「眉間に皺が寄っていますよ。プレゼント、お気に召しませんでしたか?」
「そんなことないです。ただ、このようなプレゼントをしていただく理由がないです」
「気にしないでください。これは、僕が勝手にしたことですから」
話をしてると料理が運ばれてきて食事をする。
気にしないでと言われてもやっぱり気になってしまう。
ここの予約も大体この時間になるだろうと思ってしてくれていたらしく、逆になんでここまでしてくれるのか不思議だ。
ディナーを済ませたあと、安室さんに工藤邸まで送ってもらい。
その帰り際、やっぱりプレゼントやディナーもそうだけど、今日は折角のお休みを私の為に使ってもらったから何かお礼をしたいと伝える。
でも、今の私の所持金は1500円でお礼には難しい。
近いうちに働き先を見つけてお礼をすることを伝えると、安室さんがあることを提案してくれた。
それは、ポアロで働いてほしいというもの。
働き先を探そうとしていたから逆に助かるけど、それがお礼になるのだろうかと思っていると、私の考えていることがわかったのか言葉を付け足す。
「アナタは知ってるから話すが、俺は仕事でポアロを抜けることが多い。最近は客も多いからな、手伝って貰えれば助かる」
いきなりの降谷さん口調に、不覚にも鼓動が高鳴ってしまう。
でも、そういうことならお願いしたいと伝えると、働けるように安室さんの方からしてくれるとのこと。
トリップしてきた私には身分を証明するものはなく、働くときの悩みでもあったわけだが、その辺は安室さんがなんとかしてくれることになり、何だかお礼のはずがまた助けられてしまったみたいな感じだ。
働いてお給料を貰ったら今度はしっかりお礼をしないと。
ポアロで働く日が決まったら連絡をしてくれるということになった。
「この荷物をお一人で運ばれるのは大変でしょうから手伝いますよ」
時刻は21時。
私は安室さんに手伝ってもらい、買ったものを工藤邸の中へと運ぶ。
ダイニングには椅子に座っている沖矢さんの姿があり、台に置かれた料理を見て私は今朝のことを思い出す。
今日の夕飯は、沖矢さんが作ってくれていたことを。
「あとは私がお手伝いしますから」
「わかりました。では、彼女の部屋までお願いしますね」
安室さんと沖矢さんの会話。
普通に話しているだけなのにどこか緊張感がある。
帰ろうとする安室さんに今日一日のお礼を伝えると「いえ、お気になさらず。また連絡しますね」と言い残し帰っていく。
扉が閉まり、私が体を反転させると、すでにあった荷物は沖矢さんにより部屋に運ばれていた。
「運んでいただきありがとうございます」
「いえ、これくらいなんともないですよ。今食事を温めますね」
そういった沖矢さんに、私は謝罪する。
何だか今日一日色々あって、夕飯を沖矢さんが作ってくれることになっていたのをすっかり忘れていた。
本当なら食べたいところだが、食べたばかりの私の胃袋はこれ以上の物を受けつけない。
「沖矢さん、本当にごめんなさい。実は、安室さんがお店を予約してくれていて、ご馳走になってしまったんです」
「そうですか、彼と……」
「ごめんなさい。作っていただいた料理は、明日の朝温めて必ずいただきますので」
折角沖矢さんが作ってくれたのに申し訳なくて、私は必死に謝罪する。
安室さんにはお世話になりっぱなしで、沖矢さんには失礼なことをしてしまって。
本当に自分は何やってるんだろうか。
落ち込む私に沖矢さんは「大丈夫ですよ。予約していたのなら断るわけにもいきませんからね」と優しい言葉をかけてくれる。
本当に、安室さんも沖矢さんも優しくて、そんな二人に何も返せない自分が申し訳ない。
お金が入ったらお礼を絶対しようと思ったとき、ある物の事を思い出し一度自室へ行くと、沢山ある袋の中から1つの物を取り出し下に降りる。
「沖矢さん、これを」
渡したのは、今日購入したハイネックの服。
昨日頂いたから代わりの物をと思い買ったことを話すと、沖矢さんにお礼を言われた。
「ありがとうございます。大切に着させていただきますね」
喜んでもらえてホッとすると、今日は沢山動いたからか眠気が襲う。
まだ洗濯をしていないが、今日買ったワンピース、下着、タオルを持ってお風呂に入らせてもらう。
今日はシャワーのみでさっと出て、沖矢さんにお休みを伝えると、部屋に行きベッドに倒れ込む。
重くなる瞼はくっついて私の意識は途絶えた。
翌朝7時。
昨日より遅く目が覚めダイニングに降りていくと、キッチンに沖矢さんが立っている。
「おはようございます。今昨日作った料理を温めますね」
椅子に座ると、目の前にご飯と肉じゃがが置かれ、私はいただきますと手を合わせる。
昨日食べることができなかった沖矢さんの手料理をパクリと食べると、想像以上の美味しさ。
好きなキャラの手料理なんてそれだけで幸せ。
「んー! 凄く美味しいです」
「それはよかったです」
朝食を済ませた後は片付けをする。
これくらいはしなくては罰が当たるというもの。
食器を洗っていると「良ければこのあと出かけませんか」と誘われた。
二人きりでお出かけ、つまりデートなんじゃないかと嬉しくなる。
沖矢さんはそんなつもりで言ってないだろうけど。
どちらにしても一緒に出かけるなんてイベントを断るはずもなく「是非」と返事をすると、食器を洗い終えた私は沖矢さんと外に出て車のある方へと歩いていく。
どうやら車で出かけるみたい。
安室さんの時は緊張しなかったのに、沖矢さんの隣に座るのだと思うとなんだか緊張してしまい固まってしまう。
「どうぞ乗ってください」
「は、はい」
なかなか乗ろうとしない私に沖矢さんから声がかけられ、慌てて助手席に座るとシートベルトをする。
車は工藤邸を出たが、そういえば目的地を聞いていない。
「あの、何処へ向かってるんですか?」
「秘密です」
その言葉にドキッとしてしまう。
単純かもしれないけど、秘密という沖矢さんがかっこよくて。
工藤邸にいるときは普通に話せていたのに、今は何を話していいかわからず車内は静か。
チラリと隣を見ればこんなにも近い距離に沖矢さんがいて、運転してるからじっとその姿を見ていられる。
トリップして数日。
沖矢さんといる時間はどのキャラよりも長い。
なのに色々バタバタしてて、この幸せを堪能できていなかった。
今私は名探偵コナンの世界にいて、大好きな沖矢さんと一緒にいる。
そんな幸せに改めて浸っていると「そんなに見られると緊張してしまいますね」と言われ、慌ててごめんなさいと言いながら顔を伏せる。
まさか気付かれていたとは恥ずかしい。
考えてみれば名探偵コナンのキャラって人の視線に気付きやすいんだから、こんな近くで見てたらわかって当然。
「着きましたよ」
沖矢さんの言葉で顔を上げると、車は右折し駐車場に入る。
ついた先は、携帯ショップ。