8章 デート
名前変更
名前変更お話にて使用する、夢主(主人公)のお名前をお書きくださいませ。
【デフォルト名】
倉山 紅那(くらやま くれな)
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「では行きましょうか」
「次は何処へ行くんですか?」
「それは着いてからのお楽しみということで」
一体何処へ行くんだろうかと思いながら車で走ること数十分。
駐車場に車を止め、入った建物はプラネタリウム。
二人並んで椅子に座ると、しばらくして明かりが消えた。
頭上に広がるのは機械が映し出した星空。
まだ日が出てる時間なのにまるでこの場所だけ夜が来たみたい。
星座は無知だけど、星が好きな私はアナウンスの説明を聞きながら頭上に視線を向ける。
それからしばらくしてプラネタリウムが終わったのは15時過ぎ。
その後は水族館や公園に行ったりとして、何だから沖矢さんの言っていたデートという言葉に当てはまるほどのデートコースを周り、気づけば夜の19時。
レストランに着くと着替えるために一旦安室さんと別れて個室へ行き、持ってきていたドレスに着替えようとした。
だけど、箱から出したドレスを見て私の動きが止まる。
瞳に映るのは真っ赤なドレス。
安室さんから貰ったのを持ってきたはずなのに、何故か入っていたのは沖矢さんから貰ったドレス。
今から工藤邸に取りに行くこともできないし、だからといってレストランで普通の服というわけにもいかず、私は真っ赤なドレスに着替えるとレストランへと戻る。
「お待たせしました」
「いえ。ところで、そちらのドレスは……」
私も安室さんから貰ったドレスを持ってきたつもりだったし、安室さんも私がそのドレスを持ってくると思っていたはず。
「安室さんからいただいたドレスを持ってきたつもりだったんですが間違えてしまって」
「いえ、お気になさらず。そちらのドレスはもしかして彼が?」
何も言ってないのによくわかったなと思いながら頷くと、安室さんの表情が一瞬険しくなったように見えたが直ぐにいつもの笑みを浮かべ座るように促された。
その席から見える夜景は眩しく綺麗で、星や月よりも輝いていた。
「こちらのレストランは夜景で有名なので、倉山さんと来たかったんです」
「ありがとうございます。何だかこれではお礼になっていませんよね」
今日一日私ばかりが楽しんでいるみたいで、これではお礼とは呼べないように感じていた。
でもそんな私に安室さんは「アナタと一緒に過ごす事で、何より僕は貴重な時を過ごさせていただいてますよ」なんて言うものだから鼓動が高鳴る。
「私なんかでよければいつでも誘ってください。あ、でも、安室さんのファンに怒りを買ってしまうかも」
「どんな女性に好意を寄せられても、ただ一人の女性に振り向いてもらえなければ意味はないですよ」
そう言った安室さんの瞳は真っ直ぐに私に向けられていて、その真剣な眼差しを見て何となくわかった。
きっと安室さんには思いを寄せる人がいるんだと。
それが誰かはわからないけど、普通に考えれば梓さんだろうか。
美男美女でお似合いだし、もしそうなら私はそっと応援したい。
食事を済ませ、安室さんに送ってもらう車内で、私達は今日見た映画の話をしていた。
一人の女性を巡る恋。
ラストは、二人とも亡くなってしまうという結末に、正直胸が締め付けられた。
「二人が死なずに済む選択はなかったんですかね」
「そうですね。きっと二人とも引くことができなかったんでしょう。その女性を愛していたからこそ」
安室さんの言ってることもわかるけど、それはきっと女性は喜ばない。
それに、残された女性がそのことを知ったとき、悲しまないはずがないから。
工藤邸の前に着くと、安室さんに今日のお礼を言われたので、私もお礼を伝え車から降り、家の中へと入る。
扉を開けると椅子に座る沖矢さんの姿があり「お帰りなさい。今日は楽しめましたか?」と声をかけられたので頷く。
そして私は、ずっと気になっていたことがあったので、沖矢さんに直接尋ねた。
それは、あのドレスのこと。
間違いなくあの箱には安室さんから貰ったドレスが入っていた。
貰ったときの箱に丁寧にしまっていたから間違いない。
だとすると、誰かがドレスをすり替えたとしか思えない。
そして、この家には私と沖矢さんの二人。
犯人は直ぐにわかった。
「沖矢さんですよね。ドレスをすり替えたの」
私の言葉に沖矢さんは口角を上げると、隠すこともなく認めた。
「何故そんなことを?」
「何故、ですか。簡単ですよ」
沖矢さんは私に近づき囁くように言う「お前が好きだからだ」と。
一瞬思考が停止する。
好きとはどういう意味なのか。
友情的なあれなのか、それとも――。
わからない。
この言葉に私はなんて返したらいいのか。
それにこの口調は赤井さん。
今私の目の前にいるのは、沖矢さんの姿をした赤井さん。
つまりこれは、彼自身の言葉。
「その様子だとやはり気付いてなかったようだな」
「好きって、友情的な……」
「そうだと思うか? 友情で好きな相手が他の男と出掛けるのを不快に思ってドレスをすり替えたと」
友情としての感情でそんな事はしない。
わかってるけど、もう一つの答えを口にしたくない。
「俺はお前の事を、恋愛感情として好いている」
私が口にしたくなかった言葉。
私が聞きたくなかった言葉。
好きなキャラが私を好きなんてありえるわけない。
もし事実だとしても、赤井さんは漫画の中のキャラで、私の好きは、その中のキャラとしてのもの。
それ以上でも以下でもない。
「ごめんなさい。私は赤井さんをそんな風には見れません」
「今はそれで構わない。だが、諦めるつもりはない」
開眼した瞳は真剣で、それ以上の会話はないまま私は自室へ行く。
机にドレスが入った紙袋と鞄を置くと、お風呂に入っていない状態でベッドに倒れ込む。
好きなキャラに告白されたなんて現実味がない。
断ったのに「諦めるつもりはない」なんて言われて、いくら恋愛感情がない相手とはいえ、好きなキャラに告白されたら胸が高鳴りもする。
兎に角サッパリして気持ちを切り替えようと、お風呂に入るり再び部屋に戻ると、鞄からスマホを取り出しベッドに座る。
ランプが点滅していることに気づき電源を入れると、安室さんの名前。
メールが届いてたらしく開いてみる。
内容は、今日のお礼と、また誘いますという一文。
今日は安室さんと1日過ごしたけど、思い返してみてもやっぱり恋人が行きそうなデートコース。
安室さんファンが見たら絶対誤解して、ネットで叩かれるんだろうなと苦笑いを浮かべる。
いろんな場所に出かけて疲れたのか、欠伸をして布団に入ると、いつの間にか眠っていた。
翌日、今日は安室さんがお休みだから、私と梓さん、店長の3人でのお仕事。
帰りには迎えに来てくれた沖矢さんと顔を合わせるんだと考えると溜息が漏れる。
「溜息なんてどうかしたの?もしかして彼氏さんと喧嘩?」
「いえ、何でもないんです」
告白されたけど断ったんだから意識する必要はないと、梓さんに心配をかけないように仕事に集中し、今日もポアロでの仕事が終わる。
やっぱり安室さんがいない日は女性のお客さんがガッカリする。
直接安室さんから聞いたわけじゃないけど好きな人がいるみたいだし、もし女性のお客さんが知ったら、なんて考えただけで恐ろしい。
安室さんの恋人はこの国であってほしいのが理想だけど、現実はそうはいかない。
安室さんだって人間だし恋だってする。
赤井さんだって。
でも、よりによって何で赤井さんは私なんかを好きになったのか。
私にとって赤井さんの理想は、ジョディさんと寄りを戻すことだったんだけど。
「紅那ちゃんお疲れ様」
「お疲れ様です」
梓さんと別れていつもの待ち合わせ場所へ向かう。
私に気づいた沖矢さんが車から出てくると「お疲れ様です」といつも通りの笑顔が向けられた。
工藤邸へ向かう車内では、明日のポアロの帰りにレストランに行かないかと誘われたので了承する。
またあの真っ赤なドレスを着ると約束したからその約束を果たせる。
それに、好きなキャラに誘われること自体は嬉しいから。
こういうのは喜べるのに、話が恋愛になるとどうも苦手だ。
でも、何とか普通に話せている自分に安心する。
この世界から帰れない私は多分、誰ともわからない人と結婚するか、もしくは独り身で過ごすと思う。
私には沖矢さんや安室さん、コナン君達少年探偵団や他にも沢山の人がいてくれるから、この世界での寂しさを感じないのは唯一の救い。
組織との決着がつくまでは工藤邸でお世話になるけど、その後は住むところを見つけて生活ができるようにならなくちゃ。