6章 謎の女性は積極的です
名前変更
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倉山 紅那(くらやま くれな)
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翌朝、私はお店などが開店しだす10時頃に工藤邸を出た。
ポアロへ向かうときとは違う道を行き、近くの建物などを見ながら歩く。
とは言ってもこの辺はお家ばかり、しばらく歩くと開けた場所に出て、先ずはお金を引き下ろす。
その後は、何か良いお店がないかと探し歩く。
今度は前みたいにぶつかったりしないように、周りを気にしながら歩く。
そんな簡単に遭遇するわけないと思うけど、ここは名探偵コナンの世界。
そのないことが簡単に起きてしまう状況にいるからこそ注意が必要。
そんなことを考えながら歩いていると、良さそうなお店を見つけたので入ってみる。
店内には洋菓子が売られていて、缶に入ったクッキーが目に止まりこれに決めた。
渡すのは、毛利探偵事務所、少年探偵団、阿笠さん。
枚数も多く入っているみたいだし、3缶購入して1つずつ分けて紙袋に入れてもらうと店を出た。
あとは沖矢さんと安室さんのなんだけど、未だ何をプレゼントしたらいいか決まらない。
普段使える物がいいだろうなとは思うけど、あの二人が普段使うものとは何だろう。
その後、店を回って探してみたがこれといったものは見つからず、一体今は何時だろうかとスマホを見るとお昼を回っていた。
私は近くのファミレスに入りお昼を済ませると、取り敢えずこの菓子折りをここから近い毛利探偵事務所に先に渡しに行こうと向かう。
2階の事務所ドアをノックすると、中から蘭ちゃんの声が聞こえて開けられた。
「倉山さん、今日はどうかされたんですか? 取り敢えず中へどうぞ」
「いえ、まだ用事があるのでここで大丈夫です」
私は蘭ちゃんにクッキーの入った紙袋を手渡すと探偵事務所を後にし、再びお店を見て回る。
財布、ハンカチ、キーケース、色々あるけど何がいいかわからず悩む。
二人には本当にお世話になったしドレスまで貰っている。
そんな人達へのお礼を考えるのは一苦労だ。
感謝は値段で決まるわけじゃない。
相手のことを考えて選ぶ必要があるからこそ悩んでしまう。
適当に決めることもできず最後のお店に入ると、私はある物を見つけた。
「その商品は今人気なんですよ。自分に買われる方や贈り物とされる方もいらっしゃいますから」
店員さんに進められ、私もこの商品に惹かれたことから2つ購入。
別々に包装をしてもらうときに包の色を選ばせてもらえたから、沖矢さんには赤、安室さんにはオレンジを選ぶ。
小さな取っ手付きの紙袋にまで入れてもらえて、これで二人へのプレゼントも用意できた。
スマホで時間を確認すると丁度いい時間。
私は再び毛利探偵事務所に戻りポアロの前で待っていると、しばらくしてコナン君がやってきた。
「あれ? 倉山さんどうかしたの? 今日はポアロの定休日だよね」
「うん、コナン君に、というより少年探偵団の皆に用があってね」
私が少年探偵団の皆にクッキーを渡したいことを話すと、どうやらコナン君はこれから皆と公園で遊ぶことになっているらしく、一緒に連れて行ってもらう事になった。
鞄を置いたコナン君と公園に向かうと、すでに元太君、光彦くん、歩美ちゃん、哀ちゃんの姿があり、少年探偵団全員集合。
「あ! 紅那お姉さんだ」
「姉ちゃんも一緒に遊ぶのか?」
「では、サッカーより別の遊びにしましょうか」
なんて盛り上がる3人に、一緒に遊ぶためではなくて渡したい物があるからだと話袋を差し出す。
「これクッキーだから皆で食べてね」
3人とも嬉しそうにお礼を口にすると、元太君が真っ先にクッキーの缶を開けていた。
一人で食べてしまいそうなその様子に「元太君、これは皆で食べるんですからね」と光彦君が釘をさす。
不満そうにわかったよという元太君。
そんな二人の会話にクスリと笑みを溢すと、すぐ側にいた哀ちゃんがありがとうとお礼を言ってくれて何だかキュンとしてしまう。
普段クールの哀ちゃんだけど、こうして実物を見ると本当にカワイイ。
「じゃあ、私はまだ行くところがあるから皆またね」
皆と別れたあと向かった先は阿笠邸。
チャイムを鳴らすと扉が開かれ阿笠さんが顔を出す。
「おー、紅那君じゃったか。折角来てくれたのにすまんが、今日は子供達は出かけておっての」
「いえ、違うんです。今日はこちらをと思いまして」
ドレスを綺麗にしてもらったお礼や、お隣さんとしてもよろしくお願いしますと言う意味でクッキーを手渡す。
これで残りは沖矢さんと安室さん。
安室さんには明後日の出勤で渡すとして、沖矢さんは今工藤邸にいるだろうから先に渡そう。
喜んでもらえるかなと不安半分、お礼ができる嬉しさ半分の気持ちで工藤邸の扉を開けると、見たことのない女性が沖矢さんといた。
それもかなり距離が近くて、親しい関係なんだろうか。
でも私はこんなキャラを知らない。
もしかして、私が見てきた名探偵コナンより後に登場するキャラなんだろうかと頭の中でぐるぐる考えていると、固まっていた私に声がかけられた。
「倉山さんおかえりなさい」
「ただ今戻りました。あの、そちらの方は?」
私の問に返ってきたのは思いもしない言葉。
何かの聞き間違いだろうかと思っていると、女性は沖矢さんの腕に抱きつき「トリップして来た小川 真実でーす」と言う。
聞き間違いではなかった。
この女性は私と同じトリップして来た人。
一体何がどうなってるのか説明を求めると、女性は今の状況を話す。
どうやら小川さんも私と同じ様に突然名探偵コナンの世界にトリップしたらしく、何がなんだかわからずに歩いていたら、見覚えのある工藤邸を見つけた。
表札は工藤。
隣は阿笠。
これはまさかと思っていると、窓から阿笠邸の監視をしていた沖矢さんが小川さんに気づき外に出て来て声をかけた。
すると小川さんは「本物の沖矢さんだ」とはしゃぎだし、私同様にトリップを隠すこともなく沖矢さんに説明した。
その話を聞き、彼女も私と同じでトリップしてきた人間だとわかったということらしいけど、何故ずっと小川さんは沖矢さんの腕にしがみついているのか。
「コナン君とも話し合って、彼女もここで暮らすことに決まりましたので」
トリップしてきて皆の情報を知ってるんだから当然の判断だとは思うけど、今も沖矢さんにベッタリな光景を目にすると胸がもやもやする。
その後、更に彼女の話を聞くと、私と違うことが一つわかった。
それは、何故かお金が用意されていること。
鞄の中に通帳とキャッシュカードが入っていて、その額は生活には困らないほど。
取り敢えず小川さんが組織に目をつけられないためにも、私と同じ様にここで一緒に暮らすことになったみたい。
コナン君と沖矢さんからトリップして来た人が他にもいるという情報を得てはいたけど、事実はわからなかった。
でもこれでハッキリした。
トリップして来た人物は他にもいるということが。
でも、私と同じように突然この世界に来た小川さんが帰り方を知ってるはずもなく、元の世界に帰る方法まではわからない。