5章 女心と洋服
名前変更
名前変更お話にて使用する、夢主(主人公)のお名前をお書きくださいませ。
【デフォルト名】
倉山 紅那(くらやま くれな)
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
カレーが皆に行き渡ったところで一段落付き、私は阿笠さんに挨拶をする。
哀ちゃんもコナン君から詳しい事情は聞いてるみたいだから、阿笠さんにもすでに情報は入っていると思うけど、お隣さん同士なんだから挨拶は大切。
綺麗にしてもらったドレスのお礼も伝えると「ワシの発明品にかかればあんなの造作もないことじゃよ」と得意げに言われ、私は笑みを浮かべる。
その後は皆とカレーパーティーを楽しみ、後片付けは皆で済ませる。
ただ工藤夫妻は来るのも突然なら去るのも突然みたいで、まだやらなくてはいけない仕事が残っているからとパーティー終了後には空港へ向かってしまった。
流石人気作家さん。
そんなこんなで片付けも終わり、阿笠さんと哀ちゃんが子供達を車で送りに出ていくと、この場には私と沖矢さん、コナン君だけとなった。
わざわざ哀ちゃんが阿笠さんに着いていき、去り際にコナン君と視線を合わせたのを見れば、多分何か話があるんだろうと察しはつく。
「コナン君、何か話があるんじゃないかな?」
「うん。実はトリップのことなんだけど、昴さんと調べてて一つ情報を見つけたんだ。ただその情報は不確かなものなんだけど」
その内容は、トリップした人物が他にも今までにいたということ。
勿論この情報が確かなものとは限らないけど、もしこれが事実なら元の世界に帰る手がかりもわかるかもしれない。
二人はその情報が確かなものか確認すると同時に、元の世界に帰る方法なども引き続き調べてみると言ってくれた。
それからしばらくして阿笠さんと哀ちゃんが戻ってくると、私と沖矢さんは招待してもらったお礼を伝えて工藤邸に帰る。
明日はポアロの仕事があるから、私はお風呂を済ませると自室のベッドに横になり、スマホでアラームをセットして瞼を閉じる。
コナン君と沖矢さんが見つけた情報が事実なら、元の世界に帰る方法がわかるかもしれない。
でもその時は、こうして皆と過ごす毎日とさよならすることになるんだなと考えているとなんだか悲しい気持ちになる。
もし帰り方が見つかったら、私はその時どうするんだろう。
元の世界に帰るのか、それとも――。
翌朝目を覚ました私は朝食を作っていた。
昨日は眠る前に考え事をしてしまったけど、結局その時のことはなってみないとわからない。
それに、もしかしたら一生帰ることができない可能性だってあるんだから、今は二人からの情報を待つしか私に出来る事はない。
朝食を済ませて時計を見ると、時間はこの前と同じ。
またジンと会うような事があったらどうしようかと不安になる気持ちをぐっと押さえ込む。
この世界の情報を知っているからこそ、私はしっかりしなくてはいけない。
これからずっとこの時間にポアロへ行くのに怖がっていたんじゃ何もできない。
私は一度大きく深呼吸をすると、真っ直ぐに前を見て工藤邸を出た。
すると門の前に見慣れた車が止まっているのが見えたかと思うと、爽やかな笑顔を私に向けるイケメンさんの姿が見える。
「安室さん、どうされたんですか?」
「またジンと会うような事があるといけませんから。どうぞ乗ってください」
やっぱり安室さんは優しい。
泣いてる姿を見せてしまったから心配をかけてしまったみたい。
でも、安室さんに甘えてばかりじゃいけない。
私は助手席に座ると走り出す車の中で安室さんに感謝の言葉と、もう大丈夫である事を伝える。
その表情に曇りがないことに気づいてくれた安室さんはフッと笑みを溢すと「安心しました」と口にする。
この世界での日々は、穏やかだけど危険といつも背中合わせ。
だけど皆いい人達ばかりで、この生活にも少しずつ慣れていく。
それから数日後のポアロの閉店時間。
これといった大きな事件もないまま今日も閉店作業をする。
明日はポアロの定休日で、次の日も私はお休みだから2連休。
特に何をする予定もないけど、沖矢さんにはすでに報告済み。
それも明日は初のお給料日。
昨日安室さんから渡された通帳に入金されることになってるらしく、暗証番号も教えてもらって覚えたから、明日は先ず引き下ろしに行って、お世話になってる人達に何かお礼をしたいなと考えている。
「倉山さんは明日から2日休みでしたね。何かご予定は決まっているんでしょうか?」
「はい。折角なので歩いてこの辺りの事をもっと知ろうと思います」
「それはいいですね。もしかして、彼も一緒にですか?」
彼というのは沖矢さんのことだとわかるけど、そんなに私は沖矢さんにベッタリなイメージなのかなと苦笑いを浮かべながら否定する。
特に沖矢さんとは何の約束もしてないし、お礼も知られずに買って喜んでもらいたいから。
閉店作業を終え、安室さん、梓さんと別れると、私は沖矢さんとの待ち合わせ場所へ向かう。
今は沖矢さんが迎えに来てくれることにも慣れてきて、最初の頃より緊張もしなくなったけど、いくら恋人のフリとはいえあからさまに見せつける必要もないように思える。
だから安室さん同様に最近断ったんだけど、夜道は危険だからと却下されてしまった。
そんな遅い時間でもないし子供じゃないんだけど、片目開眼の赤井さんに言われてはそれ以上断ることもできず受け入れた。
あまり迷惑をかけたくないし甘えてばかりじゃ駄目だと思ってるんだけど、お迎えは沖矢さんの親切として納得することにしている。
工藤邸に帰ってくると、沖矢さんの用意してくれた夕食を食べて食器を片付けた後お風呂へと入る。
その後は、ベッドに横になり明日のことを考えた。
少年探偵団の皆や毛利探偵事務所、阿笠さんには菓子折りを用意するとして、安室さんと沖矢さんには何をプレゼントするべきか。
この二人には凄くお世話になったから、菓子折りではない物がいいんだけど。
本当は工藤夫妻にも何かプレゼントしたいけど、今は日本にいないからまた来た際に用意するとして、あの二人には何を選ぶべきか。
沖矢さんには最初の頃に服を渡しているからそれ以外。
色々考えてみたけど思い付かず、明日お店で見て決めることにした。
コナン君にも個別で渡したいところだけど、蘭ちゃんがいるのに他の女性からプレゼントなんてお礼だとしても渡せない。
だから、少年探偵団だ毛利探偵事務所に渡す菓子折りに含ませてもらう。
明日は1日プレゼント選びになりそうだなと、ワクワクする気持ちを胸に秘めて眠りにつく。