5章 女心と洋服
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倉山 紅那(くらやま くれな)
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「こちらをどうぞ」
渡された紙袋は、私が昨日沖矢さんから貰ったドレスを入れていた袋。
中を見ると、やはりあのドレスが入っていた。
「昨夜、倉山さんが眠られたあと、お隣の阿笠博士に頼んだんです」
袋から取り出すと、落ちないと思っていた汚れも綺麗に落ちていて貰ったときと同じ新品状態になっている。
阿笠博士の発明品は凄いものばかりだけど、まさかこんなことができる物まであるとは思わなかった。
今日の時点ですでにドレスは綺麗になってたらしいけど、なかなか渡すタイミングが見つからなくて今になったことを話す沖矢さん。
私が眠ったあと部屋に入ったという発言だが今は気にしないでおこう。
クリーニングに出してもきっとここまで綺麗にならなかったと思うから。
「ありがとうございます。まさかこんなに綺麗になるなんて」
「私も驚きました。もしよろしければ、またそのドレスを着て一緒に食事へ行っていただけますか?」
「勿論です」
気付いたときには先程の恥ずかしさもなくなり、宝物を扱う様にそっとドレスを抱き締め応える。
好きなキャラからの誘いを断る人なんているはずがない。
その後、私と沖矢さんはお昼を済ませると工藤邸に戻った。
考えてみたら朝起きてから何も食べていなかったけど、それは沖矢さんも一緒だったみたい。
今日工藤夫妻が来ることは沖矢さんも知らなかったらしく、なんでも、二人がトリップしてきたという私に興味を示し一目見たいとわざわざロサンゼルスからやって来たようだ。
「おかえりなさい。帰りは朝になると思ってたのに残念」
「折角お二人がロサンゼルスから来てくださっているのにそんな時間に帰りませんよ」
その前に、朝帰りのところを否定してほしいんだけど、有希子さんの冗談に沖矢さんが合わせたといった感じだろうか。
「紅那ちゃん、なにかいいことでもあったみたいね。家を出ていくときより表情が明るいわ」
沖矢さんが言っていた通り、やっぱり私は顔に出やすいみたい。
一応自覚はあるものの、今日初対面の相手にもわかってしまうほどなんだと改めて実感する。
その後工藤夫妻の話によると、私達が出かけたあと二人は阿笠邸に行きコナン君や哀ちゃんに会ったそうだ。
今日は子供達が阿笠邸でカレーパーティーをするらしく、工藤夫妻と沖矢さん、私も招待してくれるそうなので、私は挨拶も兼ねてお邪魔することにした。
隣に住んでいるのに阿笠さんに挨拶に行く事をすっかり忘れていたけど、もしかしたら私を哀ちゃんが警戒してる可能性もある。
トリップした最初に会ったときも不審に思われていたみたいだから。
ポアロの前で考え込んで立ってる人を見たら不審に思って当然かもしれないけど、少なくても私は組織の人間ではないから嫌な感じは哀ちゃんに与えなかった筈だと思いたい。
「そろそろ時間になるから行こうか」
「そうね。それじゃあ二人とも行きましょう」
4人で阿笠邸に行くと、哀ちゃんが出迎えて家の中に入れてくれる。
そこにはすでに子供達も集まっていて、私を見ると3人が声をかけてきた。
「お姉さんが来てくれて歩美嬉しい。それにすっごくそのお洋服似合ってるよ」
「昴のにーちゃんとデートだったからだろ」
「来られないかもしれないってあの人が言われてましたからね」
単なるお出かけ、それもドレスを渡すタイミングがわからなかったから沖矢さんが誘ってくれただけなのにデートなんて言われて反応に困ってしまう。
今着てる洋服も有希子さんから貰って着たのをそのまま着てきただけで、デートだからおめかししたというわけではない。
返事に困っていると沖矢さんが「今日は家主である工藤夫妻もいらっしゃいますから、デートを早めに切り上げたんですよ」と代わりに説明してくれる。
先程と同じでデートの否定はしてくれないけど、私と沖矢さんは恋人設定。
いくら子供達相手でもその設定は貫かなくてはならない。
何だか恥ずかしい気持ちはあるけど、外に出たら私と沖矢さんは恋人だということを忘れないようにしなくてはいけない。
どんな些細なことから、安室さんや組織の人に知られてしまうかわからないのだから。
「紅那お姉さんと昴お兄さんは恋人同士なんだよね。新一お兄さんって人のお母さんが言ってた」
「うん、そうだよ。有希子さんとは知り合いで、私と沖矢さんが恋人同士だって知ったら一緒に工藤邸で暮らすように言ってくれたの」
予め決めていた設定をそのまま話してみたが、興味を示した子供というのは恐ろしいもので、この後は質問攻めに合う。
コナン君や蘭ちゃんから聞いたらしく、ポアロで働いていることや今日のデートはどこへ行ったかなど、3人からの一斉の言葉に助けを求めるように視線を逸らす。
すると哀ちゃんと目が合い、私の困った姿にやれやれといった様子で「あなた達、もうすぐカレーができるわよ」と注意を別に逸らしてくれる。
子供達はカレーを作る阿笠さんと、その手伝いをする沖矢さんの元に行き私は解放された。
「哀ちゃんありがとう」
「別に。アナタのことは江戸川くんから聞いてるから。それに、こんなに感情がわかりやすい人が私達の事を探りに来た組織の人間とは思えないもの」
哀ちゃんにまでわかりやすいと指摘されてしまう私は、絶対に潜入調査は出来ないなと思った。
そもそもそんなにわかりやすいなら、恋人のフリをしても嘘だと見抜かれてしまうんじゃないかと心配になる。
「まあ、いいんじゃない。嘘をつくのに慣れてしまう人よりも、あなたみたいにわかりやすい人の方がいいと思うから」
「でも、そのせいで恋人のことが嘘だって組織の人に気づかれたら……」
「それは大丈夫よ。自分で気づいていないみたいだけど、あの人といる時のあなたは恋してますって感じが出てるから」
言われて思ったけど、恥ずかしくて顔を赤らめたり、嬉しくてご機嫌になったり、理由はどうあれ傍から見たら恋人っぽく見えるのかもしれない。
意図せずしていたこととはいえ、何とか私にも恋人のふりができる事がわかり安堵していると、出来上がったカレーを阿笠さんと沖矢さんが盛り付けて子供達に渡している。
私も手伝おうと立ち上がり、盛り付けられたお皿を皆に運ぶ。