「優しいね」と言ってみた
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リタ
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※リタは問題児クラスの生徒。
■サブノック・サブロ
最初の頃は、入学早々教師に襲いかかって問題を起していたサブノックくん。
強さこそ魔王への近道と思っていたみたいだけど、入間くんとの関わりが切っ掛けでその考えを改め直し、今ではすっかり近寄り難いオーラも消えていた。
皆と勉強したり遊びに出かけたり。
彼の変化は目に見えてわかる。
とくに驚いたのは、私とサブノックくんが仲良くなったこと。
意外に可愛らしい一面もあったりして一緒にいて飽きない悪魔。
「サブノックくんって優しいよね」
「ヌ、そこはカッコイイだろう」
カッコイイへの拘りが強いけど、事実彼はカッコイイ。
それは彼がそう有りたいと望み行動してるからなんだけど、理由はどうあれそのカッコよさが優しさにも繋がっている事に本人は気づいていないみたい。
ついさっきだって、私が転びそうになったのをヒョイッと掴まえて持ち上げてくれた。
彼は「次期魔王たるもの当然のことだ」なんて言ってたけど魔王にも色々あると思う。
傲慢な悪魔が魔王になっていたら今の魔界がなかったように、魔王になる悪魔が皆思いやりを持ち合わせているとは思えない。
魔王になるのも悪魔なら、自分の欲しか考えない者もいるはず。
だからこそ私は、サブノックくんみたいな悪魔が魔王になったらいいなって思ってる。
理由がどんなものでも、サブノックくんは他を思いやれる悪魔だって知ってるから。
「カッコイイのは知ってるよ」
ニッと笑えば「そうか」と柔らかな笑みを浮かべ私の頭に手を置く。
不意打ちの笑顔に顔が熱くなるのを感じ俯けば「どうかしたのか」と尋ねてくるサブノックくん。
たまに見せるその笑顔にどれだけの破壊力を持っているのか本人にはわからないだろう。
「耳が赤いが病か?」
「いいから放っといてよ」
こんな状態で顔なんて見せれるはずない。
いつもなら自然に落ち着くのを待つんだけど、耳の赤さに気づかれると突然私の身体が宙に浮いたかと思えば振動で揺れる。
状況が理解出来ず横をみれば過ぎ去る景色。
「直ぐに医務室に着く、しばらくの辛抱だ」
「お、おろしてー」
担がれた私は医務室へと運ばれ、何の異状もないことが告げられたのにサブノックくんは納得いかず「耳が真っ赤だったんだぞ」なんて言うものだから恥ずかしくてこの場から消えたくなった。
サブノックくんにドキドキしてただけなのに。
心配してくれてるのはわかるし嬉しいけど、この優しさはやめてほしい。