魔術のような恋をした
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リタ
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♡─ス・キ・魔─♡
イルマくんから聞いた内容を考えると、オペラ先輩の作戦でカルエゴくんとリタ先生がウォルターパークに行ったみたいだけど、それにしては今日のカルエゴくんの様子はおかしい。
ウォルターパークで何かあったのかなと考えながら、イルマくんと別れたあと準備室に戻ろうとしたとき声をかけられた。
振り返ればリタ先生がいて、こっちも様子がおかしいように見える。
思った通り「相談したいことがあります」と言われ、僕はリタ先生を準備室に招いて魔茶を出した。
「相談って、カルエゴくんのことですよね」
「ぷはっ! な、なんでわかったんですか!?」
魔茶を飲んでいた彼女は驚いて吹いてしまう。
どうやら僕の思った通りのようだ。
突然考え込んでしまったけど、カルエゴくんから聞いたと思われているといけないので「カルエゴくんの様子がおかしかったので」と付け足しておく。
カルエゴくんの様子が変わるのはいつもリタ先生関連のことが多いから、今回もそうなんじゃないかと思っていた。
その予想は的中。
リタ先生からの相談。
さっきイルマくんから聞いた話も合わせて、カルエゴくんが告白をしたんだろうと推測は出来たことを伝える。
そもそもカルエゴくんがリタ先生の事を好きなことは知っていた。
本人から聞いたわけじゃないけど、長年一緒にいるとわかっちゃうんだよね。
「それで、リタ先生は何に悩んでるんですか」
「仰っしゃる通り、私は告白をされましたがお断りしたんです。でも、それからずっと意識してしまって」
これでカルエゴくんの様子がおかしい理由はわかった。
リタ先生にまで異変があるという原因も予想はつく。
「告白をされて意識をしだすのはよくある事ですよ」
「そうなんですか……」
自分の感情に悩んでいるリタ先生を落ち着かせるため、今の感情は一時的なもので、予期せぬことに動揺してるだけだから自然と落ち着くことを伝える。
それを聞いて安心したのか、少し落ち着いたみたい。
お礼を言って準備室を出ていくリタ先生を見詰めた。
本当はその感情の原因になりえることは他にもあるんだけど、不確かな事を伝えて混乱させるのは良くないから言わなかった。
あれから一週間経って、カルエゴくんが準備室を訪れた。
珍しいなと思いながら魔茶を出すと、話すのを躊躇っているのか本題に入らない。
理由もなく来るはずないから、何か僕に話したいことがあるのは確かだろうけど。
「カルエゴくん、僕に何か相談があるんじゃない」
「ああ……。それがだな、この前好きな相手に告白をしたんだが、それからずっと避けられているようなんだ」
「リタ先生だね」
緊張からか一気に魔茶を飲むカルエゴくんにリタ先生の名前を出せば、ブッと吹き出して噎せている。
前にも似た光景を見たなと思っていた僕に、なんで知ってると言いたげな目で睨んできた。
僕にはバレバレだと伝えたら「フンッ」と鼻を鳴らし照れくさいのを誤魔化された。
「告白をされて驚いてるだけだよ。暫くしたら普段通りに戻るんじゃないかな」
「そうだな。だが、好きな相手から避けられ続けるのは納得できん」
この感じからしてカルエゴくんは、まだリタ先生の事を諦めていないみたいだ。
リタ先生もまだ避け続けてるみたいだし、もしかするともう一つの可能性も濃くなってきたかもしれない。
そんな話をカルエゴくんとした日の放課後、準備室にやって来たのはリタ先生だった。
なんだか今日はお客さんが多くて嬉しいな。
「バラム先生、話が違うじゃないですか!」
「えっと、この前は言わなかったんですが。告白されたことで意識をしだして、好きになる事も稀にあるんですよ」
この前伝えられなかったもう一つの原因を話せば、その言葉の意味を理解したのかリタ先生は耳まで赤く染めている。
自分が一度振った相手であり、今までそんな相手として見ていなかったんだから無理もない。
僕も恋はまだしたことがないからよくわからないけど、知識だけはあるんだよね。
リタ先生はまだ自分の気持ちが整理できないのか、もしくは認めたくないのか「私、魔術にでもかかったんでしょうか」なんて言い出した。
でもそれは、目を逸らそうとしても変わらない、紛れもない恋であることを伝える。
暫く悩んで答えが出たのか「バラム先生、ありがとうございました」と言い残し準備室を出て行ってしまう。
あの目からして、きっとカルエゴくんに思いを伝えに行ったんだろう。
二人の恋が上手く行くことを祈りながら、僕は魔茶を飲む。
《完》