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リタ
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私には好きな悪魔がいます。
問題児クラス担任のカルエゴ先生。
初めて見た入学式の時に一目惚れをして、接点がなければ会うこともないんだろうなと思っていたら、何と私のクラスの担任と知り運命を感じた。
それも、同じクラスのイルマくんの使い魔。
これはイルマくんとお友達になり、カルエゴ先生との接点を更に増やさねばと燃え上がる。
「あの、ここいいかな?」
「うん、どうぞ。確かリタさんだよね」
アスモデウスくん、ウァラクちゃん、イルマくんの三人がいる中に入るのは少し抵抗があったけど、恋には勇気が必要。
まさかイルマくんに認識してもらっていたとは思わず嬉しくなり、さり気なく隣に座る。
イルマくんを挟んだ反対にはアスモデウスくんがいて、何やら私に視線を向けている。
もしかして、警戒されてるとかだろうか。
そうだとしたら非常にマズイ。
アスモデウスくんに邪魔されたらイルマくんと仲良くなるどころではない。
兎に角刺激しないように、お昼を食べながら談笑する。
話していて思うけど、イルマくんって不思議。
悪魔なのに悪魔らしくないというか、皆と雰囲気が違うように感じる。
「ところで、リタもイルマ様の傘下に入らないか」
アスモデウスくんからのまさかのお誘い。
これはイルマくんだけでなく、二人とも交流できるチャンス。
カルエゴ先生との接点は多いに越したことはない。
「あ、アズくん、それは——」
「勿論入ります!」
止めようとするイルマくんの言葉を遮り頷けば「ではこれから共に、イルマ様を魔王にすべく尽力しよう」と言われ「よろしくね」と私は手を差し出した。
アスモデウスくんは意味がわからなかったのか首を傾げたので「握手だよ」と伝える。
「握手……。この行動になんの意味が?」
「うーんと、これからよろしくねとか、頑張ろうねとかの意味を込めて、みたいな?」
「なるほど」
アスモデウスくんと握手をしていると「私も私もー」とウァラクちゃんまで参加して、何故か三人で手を繋ぎ円ができた。
ぐるぐる回りだしたウァラクちゃんに「コラ! 止めんか」と怒るアスモデウスくん。
本当はカルエゴ先生の接点作りだったんだけど、それとは関係なく楽しいという気持ちが心に溢れて笑う。
そんなこんなでイルマ軍に入ることが出来た私だが、いつの間にかウァラクちゃんの姿が消えていることに気づく。
どこに行ったんだろうかと周りを見回すと、売店が何やら騒がしい。
お昼も丁度食べ終えたので、イルマくん、アスモデウスくんと一緒に行ってみると、そこにはウァラクちゃんの姿。
なんか捕まってると思ったら、ウァラクちゃんは売店出禁リストに載っているようだ。
家系能力で見たものを出せてしまうからって理由みたいで、どうにもならない。
竹槍で売店員さんに威嚇されてるけど大丈夫だろうか。
「イルマち、そこのシール取って! で、手に貼って万歳」
「え? こ、こう?」
今、召喚シールって言ったよね。
つまりそれはイルマくんの使い魔が現れるということ。
万歳した瞬間目の前に使い魔姿の可愛いカルエゴ先生が現れて叫びたくなるのをグッと押さえ込む。
「またお前は……。なんか増えてないか」
今一瞬だけどカルエゴ先生と目が合った。
直ぐにウァラクちゃんの方にも向けられてしまったけど。
使い魔姿のカルエゴ先生は普段の迫力ある怒りオーラとは違って可愛く、これはこれで好きなんだよね。
なんて思いながらジッと見ていると「今のうちに逃げるぞ」とアスモデウスくんに腕を引っ張られその場から退散させられてしまった。
もう少しあの姿の先生を見たかったなと無念な気持ちを残しつつ中庭まで来ると、いつの間にか売店から持ってきていたアイスをウァラクちゃんが人数分配る。
勿論食べ終わったあとは四人で売店にお金を支払いに行った。
何だか慌ただしかったけど、嫌いではない一日を過ごした気がする。
帰りは四人で帰路を歩き、まるで『友達』みたい。
連絡先も交換して、その日の夜はアスモデウスくんからス魔ホにメールが届いた。
内容は「明日はイルマ様のお迎えに行くぞ」というもの。
イルマ軍に入ったからには、やはりお迎えは傘下として当然。
カルエゴ先生目的だったはずの関係づくりが、気づけばそれだけの理由ではなくなっていく。
特にイルマくんは他の悪魔と違いまったりしているからだろうか。
イルマくんと二人きりになったとき、つい話してしまった。
自分のカルエゴ先生への思いを。
無理だって言われちゃうかなと思ったのに、イルマくんは「僕にできる事があったら言ってね」なんて協力的な反応をしてくれて、嬉しさでうるっときてしまった。
アスモデウスくんとウァラクちゃんには流石に言えなかったけど、誰にも話せなかったことを話したら少し胸のあたりがスッとした。
「イルマ様にリタ、こんなところにいらしたんですね」
「二人だけでお喋りズルーイ! 私も混ざりたーい」
二人もやってきて賑やかになったとき、不意にイルマくんが口を開いた。
何を言うのかと思えば「僕達、お友達だよね」と言われて「勿論」と答えたが、何故か他二人の反応がなく視線を向ければ首を傾げている。
「あの、おトモダチ、というのは何でしょうか?」
「おもち?」
悪魔に友達なんて関係は存在しないのかと知った瞬間だった。
イルマくんは友達の意味について説明をしているけど、それっておかしくないだろうか。
何故悪魔であるはずのイルマくんが人間世界での言葉を知っているのか。
そんな疑問を感じて、二人が見てない隙にイルマくんにこそっと尋ねた。
「もしかして、イルマくんも人間なの?」
「え……」
少し強めの風が私達に吹きつける。
反応に表情、どう見てもこれが答えだと理解して「夜電話するからその時話そ」とだけ伝えると、どちらがお友達一号だとかで揉め続けてるアスモデウスくんとウァラクちゃんの小競り合いを止めに入る。
二人ともイルマくんが本当に大好きなんだなと思うと、喧嘩の内容にもクスッとしてしまうけど「皆一番で良くないかな」と声をかけてその場を落ち着かせた。
その日の夜。
私は約束通りイルマくんに電話をした。
電話越しの声が怯えているみたいだったから、先ず私の方から話した方が落ち着いてもらえるだろうと思い、先ずは自分も人間であること、そして私が悪魔によって魔界に連れて来られたことを説明する。
あれは、学校からの帰り道。
部活で帰りが遅くなってしまい急いでいたとき、突然黒い何かが私の前に現れた。
そこからの記憶はなく、気づけば魔界にいた。
最初は魔界だなんて知らず、知ってる通りを探していたけど、辿り着いたのは大きな建物。
誰かいないかなと中に入ると、学校であることに気づく。
家の近くにこんな立派な学校なんてあったかなと思いながら、警備の人でもいないかと辺りを探し歩いた。
その時、中庭で私は人ならざる者と出会った。
見た目からして人間ではないその姿に驚き悲鳴のような声を漏らすと、その生き物は私に気づき近づいてきた。
勿論逃げようとしたけど、慌てていた私は尻餅をついてしまう。
顔を上げたときには目の前まで来ていて、動けずにいた私にその生き物は手を伸ばし「大丈夫?」と優しく声をかけてくれた。
その手を取っていいのかわからず固まっていると「ごめんね。怖いよね」と言い、私の目の前にしゃがみこんで「こんな時間にどうしたの?」と尋ねてくる。
長い髪やマスクで表情はわからなかったけど、心配してくれているのは伝わって、私は全ての事を話した。
その生き物は私が人間だと知った途端興奮気味に驚いていたけど、ここが魔界であることや、自分がここの教師である事を話してくれた。